TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
CULTURE

【#4】『シンプソンズ』とKAWSの話。

2021.06.04(Fri)

「シンプゾンズ」© 1989 Twentieth Century Fox Film Corporation
ディズニーがお届けする公式動画配信サービス、ディズニープラスで配信中

 みなさん、KAWSはご存知ですか? 日本ではストリートウェアの黎明期、〈ア・ベイシング・エイプ〉なんかに、よくグラフィックを提供していたアーティストです。僕がNYの『TOKION』という雑誌で編集者として働いていた2000年代初頭は、よく事務所の周辺で見かけました。

 当時、彼はNYのバス停にある広告掲示板の鍵をどこかで入手したらしく、広告に自分のグラフィックを描いたりしていましたね。かっこよかったなぁ。その後、ファインアートの世界に足を踏み入れ、今ではポップカルチャーとアートの橋渡しをする、いわば現代のアンディ・ウォーホルみたいな存在になっていますよね。

 さて、なぜ急にKAWSの話を始めたかと言うと、彼は自身の作品でとてもよく『シンプソンズ』をモチーフにしているから。きっと『シンプソンズ』が好きなんでしょうね。

 2019年にサザビーズ香港で開催されたオークションでは、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケ写の構図で、『シンプソンズ』のキャラクターを描いた作品が、なんと1478万4505ドル(約16億4700万円)という破格の値段で落札されましていました。結果的にこれはKAWSのオークション過去最高額だったそうです。オークションの前は100万ドル弱で売るのが予測されていました。

 ところで、実はこの歴史的なオークションのカタログに、僕はテキストを寄稿しているんです。このオークションがNIGO®の個人コレクションを集めたもので、彼に依頼されたからなんですが。そう言えば、NIGO®さんも『シンプソンズ』大好きらしいです。こんなエピソードからも、『シンプソンズ』とカルチャーの深い結び付きが、おわかりいただけるんじゃないでしょうか。

プロフィール

W. デーヴィッド・ マークス





1978年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。文筆家。著書に『AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語 日本人はどのようにメンズファッション文化を創造したのか?』がある。ステータスと文化の関係性についての新しい本を執筆中。




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