ライフスタイル
古いものと長〜く付き合うために。- 古着編 –
2024年9月2日
セカンドハンドで手に入れたものには、新品にはない魅力がある一方で壊れやすい一面も。ずっと大切に長〜く使うための技を、『コーダ洋服工房』の店長、M.H.さんに教えてもらったよ。
Q1. 古着を長持ちさせる方法はありますか?
気を付けていただきたいのは虫食いですね。縫い目の破れなどは綺麗に直せますが、繊維を食べられている状態だと、どうしても多少の直し跡は残ってしまいます。クローゼットやタンスをこまめに換気したり、防虫剤を使うなどの対策が必要かと思います。虫も美味しい素材を知っているみたいで、虫食いのお持ち込みだとカシミヤのニットなど高級なものが多いですね。日常のシーンでいえば「擦れ」は服を傷める原因になります。右肩でショルダーバッグを持ち続けているから右の腰の部分が擦れてしまったり、リュックを背負っているから肩の生地が傷んでしまったり。古着に限ったことではありませんが、お洗濯の際は、たとえTシャツであっても手洗いをして日陰干しをするなど、ちょっとした気遣いが長持ちさせる秘訣だと思います。
Q2. 持ちがいい古着はありますか?
「持ちがいい」という視点で見ると、軽くソフトな素材で作られたものよりは、英国生地のような、しっかりハリとコシがあって耐久性の高い生地で仕立てられているもののほうが、素材自体が丈夫なので長く着ることはできると思います。加えて、オーダーで作られた服だと、年齢を重ねて体型が変わってもお直しができる想定で仕立てられている可能性が高いですね。その場合、縫いしろ(=縫い目の内側の布)が多めに残されているので、生地を変えずに身幅の変更をすることができるんですよ。古着屋で掘り出し物として見つけることもできますし、実家のクローゼットに眠っているお祖父さまやお父さまが昔着ていたジャケットなどがその条件に当てはまる、なんてこともありそうですよね。
Q3. ネットで買った古着が大きすぎた! マイサイズに直せる?
デザインやシルエットを維持しつつ、完璧なサイズダウンは難しいのですが、「肩幅だけ狭くする」「袖幅を狭くする」「袖丈を短くする」といった各所のサイズ調整で理想に近づけていくことは可能です。ただし、ポケットや装飾、柄のある服に関しては、その部分を変えてしまうと服のよさが失われてしまうことがあるので、できる範囲でのサイズ変更になると思います。また、サイズが小さいものに関しては、縫いしろを使って身幅を出すことができます。ただし古着の場合、表面が擦れたり色褪せていて新たに出した生地と色や質感が違うという可能性もあります。デニムやチノパンは出せる縫いしろがないので、大きくしたい場合は、ウエストの両脇に似通った生地の三角のマチをはめ込む、という方法でサイズアップすることもできますよ。
Q4. どんな古着でも、いつまでも着られるもの?
少しずつ直しながら、育てているように大切に着続けている古着好きの方も多くいらっしゃいます。過去には100年前に作られたヴィンテージの古着を持ってこられて「糸は解かずに直せる範囲でお直ししてほしい」というご依頼もありました。古い糸は弱っているので切れやすく、一度解いてしまうと再利用することが難しくなってしまうんです。なので、そのご依頼のときには開いていた穴を可能な範囲で塞いで対応しましたね。
「かけはぎ」という穴や擦り傷を塞ぐ手法で、できる限り破れを目立たないように直すこともできますし、直した箇所もデザインと捉えて、縫い目を目立たせてほしいという方もいます。お直しの方法は自分の好みに合わせていくつかありますよ。「長袖を半袖にしたい」「ワンピースを思い切ってスカートにアレンジしたい」「胸元にスマホがピッタリ入るサイズのポケットを作ってほしい」など、リペアの可能性は無限にあります。あと古着で多いのは、外の生地は綺麗でも、内側の生地がボロボロになってしまっているパターン。その場合は、服の色合いや柄に合わせて裏地の交換をしています。裏地のないコートに裏地をつける、ということもできますよ。
教えてくれた人
M.H.
1936年創業、老舗お直し店『コーダ洋服工房』の店長。個人だけでなくセレクトショップの商品のお直しも行っている。丁寧な仕上げに定評があり、依頼は全国各地からくる。
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