ライフスタイル

今日は一日、いい車探し。【後編】

2024年5月25日

車はともだち。

photo: Koh Akazawa
text: Toromatsu
2024年6月　926号初出

#車

　運命の車を求め、第三京浜〜横浜新道沿いをドライブしながら中古車屋さんを訪ねてみた。アフターケアも万全な安心の店を中心に。さあ、君も地元を走ってたくさん見てみよう！

前編を読む

5. ROLLING
@港北

オーナー島村正秀さんが選ぶ車は個性派揃い。右後ろに隠れた1970年式ビートルはクーラー付き。価格は応相談。

塗らないVWと、塗った中古車の二択！

　一度は憧れる空冷ワーゲン。ってこれ、サビサビじゃん。と肩を落とすのはまだ早い。オリジナルペイントをあえて残し、中身は極上ということが大いにあり得るからだ。そんな通称パティナコンディションを集めさせたら国内随一の港北『ローリング』。ちなみにここは本業が板金なのも持ち味。塗らせてもピカイチなので、欲しい車を一緒に探して、相談しながらカスタムしていくこともできちゃうのだ。

昭和テイストなラインを入れ、パネルバン風にペイントしたタウンエースが新鮮！　ワーゲン・バスやウエストファリアの理解者がこれをするキャパに脱帽。¥800,000

空冷VWの中で存在感を放っていたインディゴカラーに塗られた1990年式スズキジムニー。¥800,000

インフォメーション

ROLLING

◯神奈川県横浜市都筑区池辺町3447　☎️045･935･5985　9:00〜18:00　日・祝休

6. GATTINA
@藤沢

子猫のような車たちを、熱烈に偏愛。

　車業界の先輩にリサーチを行った結果、ダントツの高評価だったのがここ、藤沢の『ガッティーナ』。店名の由来はイタリア語の“子猫ちゃん”から。確かにここに並ぶ車はどれも子猫のようだ！　オーナーの酒井悦郎さんは左ハンドル派、コンパクトカー好きと偏愛たっぷり（ミニカー、古いポパイ、猫グッズなども置かれている事務所は趣味人の巣窟）。フィアットパンダや、ルノーカングー、ホンダシティあたりは言わずもがなよいが、ビンビンの1979年式スバルレックスと、スズキセルボのターボMTにはやられたなぁ。

1993年スズキセルボ。フルタイム4WDのMT車！　アウトドアシーンで使いたい。¥682,000

「地味でも褒めるところがある車は結構ある。誰も注目していない捨て猫なら、自分が直して愛でてあげようと思う」とオーナーの酒井さん。ドアノブやテール、ダッシュボードなど“この車のここがいいんだよな”と、細かなディテールに着目しバイイングしている。なんと少年時代から車種をエンジン音で聞き分けられていたという、根っからの車好きだったらしい！

併設している整備工場では、ガッティーナに魅せられてやってきた見習い中の女性整備士の姿が。写真学校卒ゆえ店のYouTubeの撮影も担当。

インフォメーション

GATTINA

◯神奈川県藤沢市辻堂太平台2-1-1　☎️0466･33･1122　10:00〜18:00　水〜金休

7. AMERICAN CLASSICS
@寒川

車が規格外なら駐車場も規格外。ロケーションサービスとしても活用されている。販売台数は常時15台ほどをラインナップし、多いときは20～30台くらいになるそう。これだけ各種のバンが揃っているとアメリカの郊外にトリップに来た気持ちになる。ちなみに、価格は200万円。そういえば代表の武藤泰自さんが「車が広いと心がおおらかになる。バンはあおり運転なんて無縁だよ」と言っていたのが印象的だった。

部屋みたいなアメ車も乗ってみたい！

　欧州大衆車も、日本の軽自動車も素晴らしい。でも一台のバンで、寝床も決めずあっちこっち旅してみたいと思う冒険心も捨てられない。車を走らせ行き着いた先は、潔いほどバン専科な寒川の『アメリカンクラシックス』。アメ車を見るって、まるで部屋の内見のよう。ロマンはあるけどこのデカさ、さすがに都内で使いにくいかなぁと思っていたら20代の3人組がショートサイズを購入しにやってきた。さらに国産バンの日産ラルゴも同タイミングで問い合わせが。自分も負けじと自由を手に入れたくなった。