フード
私のBEST3DISHES/平野レミ
ウチのダイ2ングキッチン
2021年5月23日
text: Nozomi Hasegawa
photo: Naoto Date
illustration: Adrian Hogan
2021年6月号 890号初出

今回紹介するのは、朝から仕事でご飯を作る時間がなかったり、面倒くさくなったときにとっても便利なウチの第2のキッチンなの。だから「ダイ2ングキッチン」ね。いいネーミングでしょ! まるでおウチで食べてるみたいな、体にもいい3皿です。
まず1皿目は『ノード ウエハラ』の「ラタトゥイユとキヌア、サーモンと温玉のサラダ」。ランチのサラダはどれも美味しいけれど、一番お気に入りはこれ。平野家の家訓で「肉の3倍野菜を食べる」っていうのがあって。ここのサラダは野菜がいっぱいだから「今日は野菜足りないな」ってときにちょうどいいの。サラダのワンプレートにパンとスープもついてきて、タンパク質も取れる、まさに完全食。セットのコーヒーも大きなマグカップにどっさり。店内も広々としていて、南北にバン! と開けているから夕方に行くと特に気持ちがいい気がするね。
2皿目は『吉田風中国家庭料理 ジーテン』の「インゲンのカラカラ炒め」。吉田を中国語にすると「ジーテン」っていうらしいの。たまたま前を通って見つけたお店で、もう30年くらい通ってるかな。夫と一緒にカウンターに座ってさ、いつも「インゲンちょうだい」って頼んで、忘れているときはオーナーシェフの吉田さんが「注文しなくていいんですか?」って聞いてくれる。カリッカリの干し海老とザーサイがインゲンに絡まっているんだよね。お酢がちょっと入っているんだけど、入っていないようで入っているその加減が上手なの!
3皿目は『モンブッフ』の「黒毛和牛のタルタルステーキ」。普通はハンバーグってパン粉や玉ねぎをいっぱい混ぜると思うのだけど、ここは牛肉が70%だから肉のコクがあってね。鉄板の上でじゅうじゅういいながらやってくるレアのハンバーグを切って、ペレットにつけるとチュワーって音がして。まわりにちょっと焦げがついたお肉を頬張るとすっごく美味しいんだ。自分で焼き加減を調節できるのは親切だし、その都度味が変化するから、楽しく食べられる。店主と奥さんがラブラブでいつも優しくて、その幸せな心が入っている味がするね。
なによりこの3皿をおすすめする理由は安心できるから。食材へのこだわりもあるし、作っている人が変わらなくて、いつ行っても同じ味が食べられるの。それってとっても嬉しいことよね。

山盛り野菜にサーモンと温玉、お腹も心も満たされるご馳走サラダ。
1. 『NODE UEHARA』のラタトゥイユとキヌア、サーモンと温玉のサラダ
「TRAIN TO TABLE」を掲げ、小田急線沿線の農家の野菜を使った料理を提供。酸味のあるマスタードベースのドレッシングをかけて、大きな一皿も気づけば完食。パンはワッフルにも変更可、オニオンスープ付き。¥1,350
インフォメーション
NODE UEHARA
東京都渋谷区西原3-11-8 1F ☎03·3466·0497 11:00〜21:00 年末年始休

大きい中華鍋で一気に炒めて出来上がり。インゲンが主役の素朴な家庭の味。
2. 『吉田風中国家庭料理 ジーテン』のインゲンのカラカラ炒め
四川省の代表的な家庭料理で、「カラカラ」は中国語で「水分がない状態」という意味。酒と醤油と酢でインゲンをサッと炒めて、ザーサイと干し海老を絡めたシンプルな一品。体にも優しく、高血圧に効果あり。¥1,320
インフォメーション
吉田風中国家庭料理 ジーテン
東京都渋谷区西原3-2-3 ☎03·3469·9333 17:00〜21:00 火・不定休

切り口から肉汁がジュワ〜! 上品な味のフレンチ流ハンバーグ。
3. 『MonBoeuf』の黒毛和牛のタルタルステーキ
店主は元ホテルオークラのフレンチシェフ。黒毛和牛のスネやネックを挽きすぎず、捏ねすぎず作られるハンバーグの味付けはミネラル豊富な塩のみ。付け合わせのひとつ、バターたっぷりのマッシュポテトも美味。¥2,750
インフォメーション
MonBoeuf
東京都渋谷区上原1-35-6 第16菊地ビル1F ☎03·6804·9833 11:30〜21:00 水休
プロフィール
平野レミ
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