ライフスタイル

コーディネートした状態で収納しちゃう。

『ネイビーブレザーSTORE』店主・ブレザー小林さん

2024年3月2日

世界のかっこいい部屋と、その秘密。


photo: Hiroshi Nakamura
llustration: kedama
text: Shintaro Kawabe
2024年3月 923号初出

部屋で快適に過ごしたいのなら、どうせやらなきゃいけない家事だって楽しんじゃおう。掃除、洗濯、整理整頓……etc。工夫しながら自分なりの楽しみ方を見つけた人を訪ねた。

 洋服の収納術というと、畳み方や掛け方などに目がいきがちだが、豪徳寺『ネイビーブレザーSTORE』店主のブレザー小林さんは根本から違う。なんと、1週間分のコーディネートを組み、その状態でハンガー掛けをしているのだ。

「以前働いていた〈ラルフ ローレン〉では毎日同じ着こなしで出勤することがなかった(元はNG)ので、その時期から始めました」

 なるほど、前もって組んでおけば朝の支度も手早そう。さらに持ち物の把握という面での利点もあって「コーディネートを考えながら服を管理しているので、今自分がどんな服を持っているのか把握できます。おかげで似たような服を繰り返し買ってしまうこともなくなりましたし、今どんな服が足りないかも見えてくるんですよ」

 実践するのは並大抵ではないが、些細な服も大事にするという点は理に適っていると思った。アウター、インナー、パンツ、ベルト、ビーニーなどの小物に至るまでひとまとめにして収納。天候やTPO、気分に応じて7セットの中から1つを選ぶ。1週間が終わったら、組み合わせを替えて翌週のコーディネートを。それを繰り返して2か月ごとの大まかな流れを作っていくそう。

Day 1

〈ロサンゼルス アパレル〉のスウェットセットアップの上に羽織るのは、〈パタゴニア〉のジャケット。〈ロスコ〉のフリース地のフェイスフードで、防寒対策も抜かりなく。

Day 2

ジャケットとアウターは、〈コム・デ・ギャルソン〉。スポーツミックスをするために、インナーに〈ナイキ〉のジャージをレイヤード。〈リーバイス〉でトーンを明るくした。

Day 3

〈エンジニアド ガーメンツ〉のジャケットのインナーに〈チャンピオン〉のフーディー、〈ブルックス ブラザーズ〉のストールを。ボトムスは、〈ビーマー〉のナイロンパンツ。

Day 4

ドレスシーンも想定し、ゼニアの生地で仕立てた〈トゥモローランド〉のスーツを軸に。堅苦しくなりすぎないよう、アウターは〈ジュンヤワタナベマン〉のモッズコートを選んだ。

Day 5

〈ブルックス ブラザーズ〉の白パンや〈コム・デ・ギャルソン〉の赤いマフラーなど、梅春を意識した明るい色味のスタイル。ジャケットは、〈カーハート〉のユーロ企画のものだ。

Day 6

こちらは休日スタイル。〈ダブル アール エル ラルフ ローレン〉のコーデュロイパンツや、〈ミスタージェントルマン〉のブラックウォッチ柄のシャツなどのラフなものでまとめた。

Day 7

〈ディーシーホワイト〉のラガーシャツや〈アークテリクス〉のジャケットといった具合に、暖かい日を想定した軽装スタイル。もし寒いなら〈ロロ・ピアーナ〉のマフラーを巻いて。

Column
小林さんの収納術の秘密はお店にも。

 コーディネートを軸に洋服と向き合うという姿勢は小林さんのお店にも表れる。コンパクトな店内には、ご覧のように有孔ボードに常にコーディネートされた状態で洋服が陳列。これを眺めて着こなしのヒントにするもよし、スタイリング丸ごと購入するもよし。


教えてくれた人

イラスト

ブレザー小林

『ネイビーブレザーSTORE』店主

ぶれざー・こばやし|1984年、茨城県生まれ。〈ラルフ ローレン〉や〈ロロ・ピアーナ〉などでセールススタッフやマネージャーを歴任し、2022年に自身の店を豪徳寺にオープン。ちなみに洗剤は、普段着からダウン、カシミヤまで洗える「サンベック」を愛用中だそう。