トリップ

ジャケットを着て、オーベルジュへ。/群馬『ヴェンティノーヴェ』

1kgの骨付き肉を食べるオーベルジュには、イタリアのシティボーイ風情で。

2023年11月25日

小旅行とパッキング。


photo: Kazuharu Igarashi (Auberge), Hirokazu Kobayashi (Jacket)
styling: Kazuro Sanbon
text: Minori Kitamura
2023年12月 920号初出

大人な旅行を志す君には、オーベルジュをぜひとも薦めたい。泊まれるレストラン、と考えればわかりやすいだろうか?たまにするオシャレを旅先で。ジャケットを羽織っていこう。

骨付き肉

 イタリアでもオーベルジュがポピュラーだと教えてくれたのは、群馬県川場村の竹内悠介さん・舞さん。西荻窪の名店『トラットリア 29』をビル立ち退きとパンデミックを機に一度畳み、悠介さんの地元で惣菜の瓶詰の通販をしながら食材や物件を探し環境を整え、去年再始動した。かつて修業していたのはイタリアの精肉店『マチェレリア・チェッキーニ』(今ではNetflixの『Chef’s table』に出るほどの有名店!)で、肉の扱いはお手のもの。キッチンにガスを引かず、すべて薪火で調理しているのだ。炎に炙られスモーキーに仕上がったのは赤城牛の骨付き肉。なんと2人で1㎏弱! すさまじいボリュームだけど、ジューシーな赤身でペロリといけるから不思議だ。

窓からの景色
1室のB&B付き。窓からの景色は一枚の大きな絵みたい。
野菜など
北群馬の食材が肉類以外にも多彩であることに対する思いも込め、店名を数字表記からイタリア語表記に改名。
店内
〈カッシーナ〉の椅子の色に合わせて、地元吉澤指物店に漆塗りした鉄板テーブルをオーダー。
パスタ
天然舞茸の時季が終わった秋口に収穫できるようになる、山の中で育てた露地舞茸を使った手打ちパスタ。お隣「土田酒造」の通常の倍以上の時間と手間がかかる“生もとづくり”によって米のうま味が濃厚に出た日本酒をペアリング。/パスタソース(右)と唐辛子のオイル(左)。
外観
武蔵野美術大学の布施茂教授による設計。「すぐ下を川が流れ綺麗な水が通うので自生植物が多く、もともとは放置されたハーブ園でした」

 肉に夢中で服のことなんて忘れそうだけど、豪徳寺でドレスとカジュアルを自由にミックスして提案する『ネイビーブレザー ストア』で見つけたカスタムジャケットなんてぴったりだ。裏地がネオンイエローで、硬派なディテールである袖口の本切羽もたちまちストリート。きっとイタリアのシティボーイってこんな感じだ。

ジャケット
NAVY BLAZER STORE
イタリア製のシャツとタイに、カラークリップを安全ピンで代用したり、胸ポケットにペンを入れたり。トラッドとテーラリングに見識のある『ネイビーブレザーSTORE』店主・ブレザー小林さんの“わかってる人”の抜き方を参考に。
ヘリンボーンツイードの3ボタンジャケット¥88,000、〈ポロ ラルフ ローレン〉のリブソックス¥1,650、ネオンカラーマジック各¥600(すべてネイビーブレザーSTORE @navyblazer_store)、ロングポイントレギュラーカラーシャツ¥39,960(サルヴァトーレ ピッコロ×シップス/シップス 銀座店)、クルーネックピルドセーター¥25,300、ビーニー¥5,500(ともにシュプリーム☎03·5456·0085)、セッテピエゲのレジメンタルタイ¥36,300(アット ヴァンヌッチ)、ウールフランネルのサイドアジャスター2プリーツトラウザーズ¥53,900(フミヤ ヒラノ ザ トラウザーズ)、スエード素材の3アイレットシューズ¥159,500(レユッカス/すべてビームスF☎03·3470·3946)

インフォメーション

ヴェンティーノーヴェ

◯群馬県利根郡川場村谷地2593-1 土田酒造敷地 ☎なし レストラン(15:00~21:00 LO19:00 水・木休) ¥35,000~(大人2人1泊利用時、1人あたり)