トリップ
カニ食べて、温泉浸かろう。関西随一の温泉街のオールドアンドニュー。
Trip to 城崎温泉
2023年12月16日
若き料理人が特産のセコガニでパスタを作る一方、文人墨客に愛されてきた歴史も色濃く残る、城崎。湯と食とアートと文学に、そっと包まれる1泊2日。
![トマトクリームパスタ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2866.jpg)
Couple Profile
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/b16cd5826a6a63e02809525c335dafc5.png)
東京出身の二人は、インスタの共通の友人を介して仲良しに。一途くんはオンラインで古着を販売する傍らスタイリストの仕事も。日和さんは大学4年生で、アパレル企業に就職予定。
ともに東京生まれ東京育ちの堀内一途くん、石原日和さんの二人がよく行くのは祖師ヶ谷大蔵の『鳥貴族』。気分を変えたいときは経堂のマクドナルドへ。カニなんて大人の食べ物すぎて、正直カニカマでいいくらい。でも、兵庫県の城崎にこの時期限定のセコガニのパスタがあると知り、ちょっと気になった。東京から電車で5時間弱の長旅だけど、たまには小田急沿線から飛び出すのもいいかも。
東京駅から新幹線で京都まで行き、山陰本線に乗り換え、福知山で「きのさき」に乗車。『城の崎にて』を一気読みしたら、もう城崎温泉駅だ。「カニだ!」と駅前のカニバサミで記念撮影を済ませ、念願のパスタにまっしぐら。情緒溢れる大谿川沿いから静かな木屋町小路に入ると、『OFF』発見! 「セコガニは松葉ガニのメス。取り過ぎると繁殖できなくなるので、漁は12月末まで。足も早く都会に出回らず、地元で消費して終わり。希少なカニです」と店主の谷垣亮太朗さん。旨味が凝縮され小ぶりなぶん、処理も面倒。カニ味噌を食べる程度だったのを、工夫を重ね新たな食材にしたんだそう。運ばれてきたカニのパスタとリゾットは濃厚で、二人も「うんまーーー!」と大興奮。内装を手掛けた建築デザイナーの関祐介さんもこのパスタめがけて城崎を訪れるそうで超わかる。「えっ、やばい、食べ終わっちゃう」と幸せと悲しみの完食。着いて早々、旅の目的を果たしてしまった! でも満足!
Spot 1. 行きの車内で城の崎にてを読む。
![カップル 車内](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2707_2.png)
![『城の崎にて』志賀直哉](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2679_2.png)
Spot 2. 城崎温泉到着!カニとピースで記念撮影。
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3589_2.png)
![カニ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/47b04247f56bfe79d952202f660f221c.png)
Spot 3. 早速、セコガニのパスタとリゾットで乾杯。
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2935.jpg)
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2977_2.png)
![OFF 内観](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3041.png)
![OFF 外観](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2991_2.png)
![ワイン、OPENの旗](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/f9ba56297263c0b8fe0ea33856a11c42-320x257.png)
OFF
谷垣さんの双子のご兄弟も豊岡で飲食店『TANIGAKI』を営む。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島536 ☎0796・21・9083 11:00~LO15:00 18:00~21:00、水・金・日11:00~LO15:00 月休
Spot 4. MMMでアペロを楽しむ。
![ドリンク 田口幹也さん。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/fb5e98742965f5349dc8a25fa78c0215.png)
![MMM 外観](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3766-320x247.jpg)
MMM
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島537 ☎なし 営業時間、店休日はポップアップにより異なる。開催情報はインスタグラムを参照。
Spot 5. 憧れの旅館「三木屋」にも寄ってみよう。
![三木屋](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC2767.jpg)
三木屋
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島487 ☎0796・32・2031(8:00~20:00) 宿泊料金など詳細はホームページを参照。
Spot 6. 外湯めぐりで茹でガニ状態!
![柳湯](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3212.jpg)
![御所の湯 入浴券](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/ae266e2a8abcc4c9b7a73d23fe1de303.png)
柳湯
中国の西湖から移植した柳の木の下から湧き出たことが由来。足湯あり。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島647 ☎0796・32・2097 15:00~23:00 木休 大人700円
御所の湯
文永4年(1267年)、後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯した記録からこの名に。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島448-1 ☎0796・32・2230 7:00~23:00 木休 大人700円
Spot 7. 温泉街散歩の楽しみは、地ビールに射的!
![カップル、コーヒー](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/1f22295e96ad7628db01e4476645e9bc.png)
![カップル 射的](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/e4fdda3769f55748319c61d2129b482a.png)
![山本屋の地ビール](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3326_2-320x321.png)
山本屋
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島643 ☎0796・32・2114 玄関横での販売は9時~20時30分。宿泊情報はホームページを参照。
![センター遊技場](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3452-320x213.jpg)
センター遊技場
射的の他にパチンコやスマートボールも。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島394 ☎0796・32・2474 19:00~22:00 不定休
Spot 8. かに寿司&かに軍艦で、旬の旨味を堪能する。
![寿司](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4254.jpg)
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4283.png)
![かに軍艦](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4307_2.png)
![谷山正利さん](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4345_2-320x295.png)
をり鶴
谷山さんはデザインにも造詣が深く、ロゴなどのビジュアルはBOOTLEGの尾原史和さんに依頼。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島396 ☎0796・32・2203 11:00~13:30、17:00~21:00 火休
Spot 9. 電話一本で駆けつける、出来たて人情ラーメン。
![宮政ラーメン](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3555.jpg)
![宮政ラーメン](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/4412dfb6dcd0cf08d74f990e046e2fa1.png)
![宮政ラーメン](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3473.png)
宮政ラーメン
味は他に醤油(¥650)、塩バター(¥680)、常連に人気の油そば(¥650)。
☎0796・32・3702(電話は『居酒屋海猫』のもの。注文の際はまずこちらにお電話を)18:00~24:00 火~木休
「昨日のラーメンの宮嶋さん、超カッコよくなかった?」「うん、あんな大人になりたいって思ったよね」と夜食に食べた『宮政ラーメン』の思い出を噛みしめる、2日目の朝。昨晩は『をり鶴』で握りを食べ、射的を楽しみ、温泉街を堪能しまくった。泊まったのは城崎に最近増えているという素泊まり宿で、温泉は付いてないけれど、城崎には外湯が7つもあるから巡り放題。一途くん日和さん世代も気負わずに城崎を満喫できるというわけ。もちろん「三木屋」みたいな老舗にも憧れてるから、散策中に建物を拝んできた。
Spot 10. 朝はカカオミルクティーとパティスリーで始める。
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3679-1600x1140.jpg)
![『PARADI 』内観](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3743_2.png)
![『PARADI』パティスリー](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3645.png)
![『PARADI』手拭い](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3752-320x225.png)
PARADI
姫路でギャラリー『M1997』も営む井上夫妻。手ぬぐい(¥2,200)はグラフィックデザイナーの小林一毅さんがデザイン。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島538 ☎なし 9:00~17:00、土・日10:00~ 水・木休
Spot 11. 文人墨客が訪れた、文芸の足跡を辿ろう。
![城崎文芸館](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3837.jpg)
![トートバッグ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3844-320x291.png)
城崎文芸館
エントランス横には足湯も(土・日・祝のみ営業)。湯めぐりのおともに、書生の手さげぶくろ(¥680)。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島357-1 ☎0796・32・2575 9:00~17:00 水休 入館料 大人500円
Spot 12. 温泉街を歩きながら、カニを食べまくり。
![カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3914.png)
![かにもなか](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4050_2-320x287.png)
斎藤製菓堂
香住ガニがたっぷりの城崎蟹まん1,520円。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島107 ☎0796・32・2308 8:00~16:00 不定休
こしあんたっぷり、かにもなか110円。
![蟹まん](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3950_2-320x294.png)
但馬牛 デリカ茶屋
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島206 ☎0796・32・2655 10:00~17:00 水休
![串おかき カニ&マヨネーズ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3896-320x321.png)
寺子屋本舗
店頭に串おかきが色々。カニ&マヨネーズ300円。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島677 ☎0796・32・0707 9:30~17:30 不定休
![カニソフトクリーム](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3857_2-320x341.png)
ソフトクリーム専門店 そふと工房
塩気と甘味がいい感じの、黄金のカニソフト720円。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島397 ☎0796・32・2260 9:00~22:30 不定休
![カニ爪しゅうまい](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC3889-320x297.png)
花兆庵
カニ身の存在もしっかり。カニ爪しゅうまい250円。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島411 ☎0796・32・3811 7:00~23:30 不定休
さて、モーニングは『OFF』の並びにある『PARADI』でパティスリーを。ふっかふかのクロワッサンと、チョコのような風味のカカオミルクティーに癒やされる。窓の向こうに見える、なんてことない朝の風景も最高だ。食べてばかりもあれなので、城崎文芸館で開湯1300年を誇る街の歴史をお勉強。なんでも、温泉が湧いた起源は養老元年(717年)。奈良から来た僧侶・道智上人が、病に苦しむ人々のため、お告げのとおり現在の『まんだら湯』の場所に庵をつくって念仏を唱え続けたら湯が湧いたそう。以降全国に名を馳せ、江戸時代後期に作られた全国温泉ランキング「温泉番付」では、西の大関・有馬温泉に次ぎ、関脇「但馬城の㟢の湯」として格付けされていた。「日本人、当時から『王様のブランチ』みたいなことしてる」と古の温泉熱を感じた二人。文芸館を後にして、カニの食べ歩き再開だ。
Spot 13. 柱状節理の前で愛を誓う。
![柱状節理の前 カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4112.jpg)
![柱状節理の前 カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4132_2.png)
![玄武洞公園](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4196_2-320x314.png)
玄武洞公園
敷地内には「玄武洞」「白虎洞」「青龍洞」など5か所の見どころが。通りを挟んだ向かいには石の博物館「玄武洞ミュージアム」があり、ステゴドンやティラノサウルスの全身骨格も鑑賞できる。
◯兵庫県豊岡市赤石1347 ☎0796・22・4774 9:00~17:00 大人500円
Spot 14. 乗車前まで浸かりたい。ラスト外湯は駅チカで。
![さとの湯](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/bd52099f58598bd2c6436158cf3f10fb.png)
![さとの湯](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4057-320x253.png)
駅舎温泉 さとの湯
入り口には無料で入れる足湯あり。
◯兵庫県豊岡市城崎町今津290-36 ☎0796・32・0111 13:00~21:00 月休 大人800円
Spot 15. 電車に揺られて追いガニ。旅の終わりはかにちらし。
![かに寿司](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4439.jpg)
![かに寿司 カップル](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4449.png)
![かに寿司](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4530_2.png)
インフォメーション
![かに寿司 大黒屋](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-_DSC4386_2-320x315.png)
かに寿司 大黒屋
品切れの可能性もあるため予め予約しておくと受け取りがスムーズで確実。他にかに握り(¥2,000)などもあり。
◯兵庫県豊岡市城崎町湯島87 ☎0796・32・2728 10:30~17:00
帰る前に名所も見ておきたくて、タクシーで『OFF』の谷垣さんおすすめの玄武洞公園へ向かった。地質遺産でもある巨大な玄武岩の岩肌が鑑賞できるそうで、入場すると、眼前に『SASUKE』もびっくりの反り立つ壁! これはケイン・コスギも登れない! 「カクカクした岩、『ブラタモリ』で見たことある」「柱状節理だ!」。そう、壁面にはマグマが冷えて固まった、柱状節理がびっしり。160万年という長い時間が育んだ地層に、一途くんも日和さんも圧倒された様子。少しすると、スマホで写真をパチパチ。そうだよね、こんな風景なかなか見られないから、残しておかなきゃ。
最後にひとっ風呂、と駅からいちばん近い外湯『駅舎温泉 さとの湯』で温泉納め。「きのさき」の車中では、『かに寿司 大黒屋』のちらし寿司をもぐもぐ。「あんなに食べたのに、食べられる!」と、すっかりカニ愛に目覚めた二人。1泊2日の滞在中、歩けば湯と食と休憩処があり、城崎という街に泊まらせてもらった感じ。3週間も滞在した志賀直哉を羨みながら、カニでみっしり満たされて東京に帰った。
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