ライフスタイル
公園で「新しいゲーム」で遊ぼうよ。
2023年11月1日
※本記事は2016年835号に掲載された記事の再編集版です。
photo: Kazufumi Shimoyashiki(PARK)
text: Ken Miyamoto(PARK)
edit: Kosuke Ide
cooperation: Yu Kokubu
1970年代アメリカで生まれた、“誰も傷つけない外遊び”のムーブメント。
子供の頃、「家でゲームばかりしていないで外で遊びなさい」なんてお小言をもらったことのある人は多いと思うけど、それでも当時は「外でするゲーム」も普通に楽しんでたよね。友達と公園にぶらぶら集まって、鬼ごっこやかくれんぼ、缶蹴り……。だけど、大人になる過程で、たいていの人はいつの間にかそうした遊びをしなくなる。あんなに楽しかったのに。そんな子供時代に夢中になった「外遊び」の面白さをあらためて見直し、大人が楽しめるスポーツとして新たに作って遊ぼうじゃないか、と考えた人たちが1970年代のアメリカにいた。その最初の提唱者はあの『ホール・アースカタログ』の編者、スチュアート・ブランドだ。
『THE NEW GAMES BOOK』(1976年)/『MORE NEW GAMES!』(1981年)









同誌が考案した「ニュー・ゲーム」という遊びのコンセプトは、“Play Hard. Play Fair. Nobody Hurt”。つまり、「熱心に遊ぶ、公平に遊ぶ、誰も傷つけない」。勝敗にこだわらず、なるべく道具を使わず、性別や体力の差に過度に左右されずに楽しめるシンプルなルールの外遊びを、自分たちで生み出していこうじゃないか、と。もちろんその背景には、’60年代以来のカウンターカルチャーの中で培われたDIY精神や、ベトナム反戦運動に通じる「不毛な争いはやめよう」という思想があった。



1973年10月、ブランドがサンフランシスコ郊外の公園で「第1回ニュー・ゲームズ・トーナメント」を開催すると、約6000人もの人々が集まった。彼らが楽しんだゲームはたくさんあるけれど、最も象徴的なのが、大勢の人で直径約2mほどの「アースボール」を上空で支え、相手陣地の地面に落とすゲーム。面白いのは、ゲーム中に誰でもどちらのサイドに移ってもよい、つまりいつでも自由にチームを出入りできること。なんと風通しの良いルールだろう!

大会は回を重ねるごとに参加者を増やし、ついには1万人以上もの人々が集まるように。参加者たちは次々と「ニュー・ゲーム」を考えて遊んだ。その成果は、’76年に出版された遊びのカタログ『THE NEW GAMES BOOK』にまとめられている。この本の編者、アンドリュー・フリューゲルマンは後に『マックワールド』誌を創刊し、「シェアウェア」の生みの親となった人物。外遊びの推進役がパソコン黎明期の重要人物だなんて面白いけれど、それらはすべて「みんなでシェアして、より良くしていく」という思想に貫かれている。自分たちの遊びは、自分で作る。あの頃のように、手ぶらで公園に集まってみないか。
さぁやってみよう、ニューゲーム!
公園で集まって、実際にニューゲームやってみました。レッツトライ!
RATTLERS ラトラーズ
鬼と逃げる人は共に目隠しをして、小石などが入ったガラガラと鳴る缶を持つ。他の人はその2人を囲む。そして、音と周りの人のアドバイスを頼りに、鬼は追いかけ、相手は捕まらないように逃げる。変な方向に行く2人を見て、周りはゲラゲラ笑っていればいい。


KNOCK YOUR SOCKS OFF ノック・ユア・ソックス・オフ
人がギリギリはみ出ないサイズ(密着していたほうがエキサイトする)にビニールシートを広げ、バトルロワイヤル形式で相手の靴下を脱がせるゲーム。最後まで靴下をキープできた人の勝ち。男だけだと暑苦しさはいなめないが、女の子がいれば断然盛り上がる。

LAST DETAILS ラスト・ディテールズ
つまりは「間違い探し」ゲーム。異なる部分は1つじゃないよ。


WATER SLIDE ウォーター・スライド
その名のとおり。すべてを忘れて水たまりに突っ込め。

EGG TOSS エッグ・トス
まずは水風船を用意。最初は近い距離でパスして、1回投げるごとにお互いが1歩後ろへ下がる。距離が離れても割れないように水風船を投げ合い、割ってしまった方が負け。本来は卵で行う遊びだけれど、公園を汚さないために水風船を使うのだ。

BOLA ボーラ
ボーラとはカウボーイが獣を捕まえるときに使う投げ縄のこと。カウボーイ役は寝そべりながらロープを回し、他の人は周囲に立ってロープを跳ぶ。足にロープが当たってしまった人はモノマネをしないといけないルールにすれば、より盛り上がりそう。

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