カルチャー
5月はこんな本を読もうかな。
暑くてちょっと外出がためらわれる日のための7冊。
2021年5月1日
text: Keisuke Kagiwada
『「新青年」名作コレクション』
『新青年』研究会(編)

日本にかつて『新青年』という、なんとも洒落た名前の雑誌が存在したことをご存知だろうか。1920年代から50年代まで続き、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作なんかの活躍の舞台となった探偵小説の牙城だ。こちらは同誌に掲載された作品を集めたアンソロジー。乾信一郎の『阿呆宮一千一夜譚』はぜひ読まれたし。¥1,760/筑摩書房
『あなたの名はマリア・シュナイダー「悲劇の女優」の素顔』
ヴァネッサ・シュナイダー(著)星加久実(訳)

19歳のとき、マーロン・ブランド主演の映画『ラストタンゴ・イン・パリ』に抜擢され、一躍時の人となった女優のマリア・シュナイダー。性的に過激なシーンが満載の同作の舞台裏では、彼女を生涯にわたって苦しめ続けるある事件が勃発していた。本書は、その真実も含めて彼女の人生に肉薄した評伝だ。¥3080/早川書房
『狂女たちの舞踏会』
ヴィクトリア・マス(著)永田千奈(訳)

19世紀末のパリを舞台に、「霊が見える」と告白したために家族に勘当され、精神病院に入れられた少女ウジェニーの物語。病院で行われた公開講義や舞踏会の史実を元に、「狂気」の名の下に社会から排除された女性たちを描く小説だが、なんだか現代にも通じる部分もあるような気がして考えさせられた。¥2,640/早川書房
『ウンベルト・エーコのテレビ論集成』
ウンベルト・エーコ(著)和田忠彦(訳)

“エーコとテレビ”というタイトルの響きから、狩野英孝の本かと思ったら大間違い。イタリアを代表する記号学者にして、大ベストセラー小説『薔薇の名前』の著者でもあるエーコが、メディア、大衆、物語、文化批評、パロディ、映画などなど、さまざまな切り口でテレビの本質を読み解くエッセイ集だ。¥3,740/河出書房新社
『淀川長治映画ベスト1000〈決定版 新装版〉』
淀川長治(著)岡田喜一郎(編)

チャーミングな語り口で人々を魅了し続けた映画解説者のカガミ、ヨドチョーさんこと淀川長治の生涯の名画ベスト1000を網羅した一冊。1000作もあるから死ぬまでに観きれるかどうかは定かじゃないけど、だからこそ『家庭の医学』レベルで一家に一冊置いておきたい。¥3,135/河出書房新社
『ボリス・ヴィアン シャンソン全集』
ボリス・ヴィアン(著)浜本正文(訳)

ロマンチックな恋愛小説の金字塔『日々の泡』の著者ボリス・ヴィアンは、クロード・アバディ楽団のトランペッターでもあった。そんな彼が手がけた、400曲以上ものシャンソンの歌詞を全訳したのがこちら。『俺はスノッブ』なんていう、いかにもヴィアンらしいユーモラスなものもあって、ニヤニヤが止まらない。¥3,850/国書刊行会
『スニーカーの文化史 いかにスニーカーはポップカルチャーのアイコンとなったか』
ニコラス・スミス(著)中山宥(訳)

カニエ・ウェストが着用した「ナイキ エア イージー 1」が、約1億9000万円という破格の値段でオークション落札されたというニュースからもわかるように、スニーカーをめぐるあれこれが日増しに大変なことになっている。いったいどうしてこんなことになったのか? 1830年代のゴム底製スニーカーの誕生から現代までの180年に及ぶ壮大なスニーカー史をひもとく本書を読めば、きっとわかる。¥2,000/フィルムアート社
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