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自然と歴史を“意識“する江の島国際芸術祭が今年もスタート。

江の島国際芸術祭 2023

2023年4月25日

photo: Hiroshi Nakamura

湘南・藤沢を舞台にしたアートフェスティバル「江の島国際芸術祭」が今年もスタート! 会期中は、湘南の「空」をテーマにしたアートや、江の島の歴史や文化、芸術を学ぶ島歩きイベント、江の島のサムエル・コッキング苑での光のインスタレーションイベントが開催される。まずは4月16日(日)に1日限定で開催された現代芸術家、藤原大さんによる作品展示「カラーハンティング/ビーチフラッグ・エノシマ」の様子をお届け。

約200本のフラッグが浜辺に並ぶ。

今年の芸術祭のテーマカラーは、湘南の朝から昼にかけての空。藤原さんが湘南の空の色を記録し、手描き染めで布に落と込んだ。これは「カラーハンティング」と呼ばれるデザイン手法。中学校の教科書にも紹介されている藤原さんが考案したものだ。

「富士山が見え、綺麗な自然に囲まれて、空も広い。湘南の美しい景色を社会に広げたいという思いが、『江の島国際芸術祭』が生まれたきっかけにあります。あと、湘南・藤沢の人たちは昔からこの景色と共に生活しているから、当たり前になっていて。作品を通して景色、自然を『見る』という意識を作りたいと思ったんです」

藤原さんの思いを聞いてから改めて「見る」という意識で空に目を向けると、色の変化や雲の流れ、さらに波の音や砂浜を歩く感覚など、自然をいつも以上に感じることができた。これもアートが持つ作用のひとつなのかと納得。

午前11時の空。フラッグが並んでいたのは片瀬海岸。

浜辺の展示は1日限定開催だったが、5月31日(水)まで藤原さんが制作した大型の暖簾が各スポットに飾られている。

また、会期中、江の島には芸術祭の今年のテーマカラーであるブルーのフラッグと、各スポットの歴史が書かれたボードが置かれているので、このフラッグを道しるべにして島の歴史を学びながら散策するのも楽しい。

次はゴールデンウィークまで開催しているサムエル・コッキング苑を舞台とした光のアートを見に夜の江の島にも訪れてみたい。

岩屋に向かうまでの稚児ヶ淵から見えた富士山。この日は少し霞んでいた。

インフォメーション

江の島国際芸術祭 2023

江の島島内・片瀬海岸エリアにて、5月31日(水)まで開催。フラッグアートの他に、サムエル・コッキング苑を舞台とした光のアート、芸術祭限定のガイドツアーなど、島のあちこちでイベントが開催される。☎︎0466・25・3525(江ノ島電鉄内 同協議会事務局)

5月26日(金)、27日(土)に開催されるガイドツアーの申し込みは5月16日(火)より受付開始。☎︎0466・55・2255(ふじさわ宿交流館)

Official Website
https://www.enoshimart.com/

アーティストプロフィール

藤原大

ふじわら・だい|神奈川県生まれ。中央美術学院国画系山水画科(北京)留学後、多摩美術大学卒業。湘南に事務所を設立。自然やそこにある目に見える対象を自分の目でとらえ、絵の具を使って対象物の色と意味を獲る「カラーハンティング」の考案者で、中学校の美術の教科書でも紹介されている。