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【#4】旅を終えると、また新たな旅が

2022年10月2日

photo & text: Salam Unagami
edit: Yukako Kazuno

 9月中旬に5日間の夏休みを取ってマレーシアのペナンにやって来た。東京の忙しい日々から離れ、マラッカ海峡に面した宿のプールでひたすら泳ぎ、腹が減ったら町に出て、マレー料理の屋台メシから、中華の点心、大型の生簀に蝦蛄やロブスターが泳いでいる海鮮料理店などを周り、美味いものをたらふく食べ歩いた。

2022年9月20日、ペナンの海鮮料理店「Bali Hai Seafood」にて、大はしゃぎするサラーム。ちなみにこの店のモットーは「泳ぐものなら、何でもあります」。

 楽しかった時間はあっという間に過ぎた。荷物をまとめ、帰りの空港へと向かうタクシーの中で、今回の旅を思い返していると、世界中の友人からスマホに「ポロリン、ポロリン」と次々にメッセージが届いた。

 アフリカ暮らしが長いロシア人の音楽ジャーナリスト、サーシャからは「11月にモロッコのラバトで行われる音楽エキスポ「Visa for Music」に来るんだって? 現地で会おう! それから、来年2月にセネガルのダカールでアフリカ音楽のエキスポ「Dakar Music Week」があるから、今からスケジュールを空けておけよ」との連絡。

 サーシャとは2019年11月にノルウェー・オスロで開催された音楽フェス「Oslo World」で意気投合し、その5ヶ月後にはコートジボワール・アビジャンでのアフリカ音楽エキスポ「MASA」で10日間一緒に過ごした。

 「モロッコで久々に会えるのを楽しみにしてるよ。ダカールのエキスポは知らなかっので、これからチェックします」と返信した。

2020年3月、コロナ禍直前にコートジボワールのアビジャンで開催されたアフリカ音楽エキスポ「MASA」にて。現地アーティストを取材中のサーシャ(右)。

 続いてインドネシア・バリ島の音楽プロデューサー、フランキから「サラームさん、ペナンの休日を楽しんでますか? ドリアンを食べすぎないように、ハハハ。ところで、インドネシア音楽エキスポ「IMEX」の第二回が来年の5月に決まりました。是非また来て下さい」と。フランキは昨年10月にポルトガル・ポルトでのワールド音楽エキスポ「WOMEX」で出会い、今年の3月にバリ島で初開催された「IMEX」には招待いただいた。

 「来年5月、必ず伺います。その前に10月にリスボンの「WOMEX」でまた会いましょう!」と返信した。

2022年3月、バリ島で開催されたインドネシア民族音楽のエキスポ「IMEX」にて、広いインドネシア全土から集まった18組のアーティストたちを束ねるプロデューサーのフランキ(中央)。

 今度はマニアックなインドカレーやマレー料理のレトルト食品が大ヒットしている食品メーカー「36 chambers of spice」の田中社長と小川副社長から「ペナン食べ歩き旅、充実していて羨ましいです! 今度はみんなでタイからマレーシア、シンガポールへと南下する、マレー半島縦断食い倒れツアーを行いましょう!」とのメッセージ。

 「お二人と一緒なら心強い。僕はマレー料理やシンガポール料理は知ってるけど、タイ料理は全然知らないので、ぜひ連れてってください!」と応えた。

美味いものに関して100%信頼できる友人、「36 chambers of Spice」の田中社長(中央)と小川副社長(右)。荻窪にあるマレー料理の老舗「馬来風光美食」にて。左は店主のエレンさん。

 一つの旅を終えると、自ずと次の旅が浮かび上がってくる。これはとても良い流れだ。あとはどこまで実現出来るか? スケジュール管理、そして、資金確保も重要だ。まずは東京に戻ってしっかり働こう!

 コラムの第一回で書いたテーマに戻るが、要するに僕は、素晴らしい音楽と美味い料理と良い友人に出会いたくて旅を続けているし、仕事をしているし、生きているのだ。