ファッション

プレゼントをLOVE STORYに。Vol.3

Cartierのトレー

2021年12月21日

photo: Yuki Kumagai
styling: Setsuko Morigami
hair & make: Rumi Hirose
illustration: Jun Takahashi
edit: Ryoko Iino
2021年1月 897号初出

この冬はどんなプレゼントを贈ろうか、こっそり悩む12月が始まった。ガールフレンドが喜んでくれるものを選ぶのは絶対だけれど、どうやって贈るかも、けっこう大事だ。プレゼントは本来、気持ちを伝えるものだからね。そう、プレゼントをラブストーリーにするつもりで。

Cartierのトレー

トレー¥69,300、ネックレス「ディアマン レジェ」¥97,900(ともにカルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター☎0120·301·757)

彼女にとって、宝物であるジュエリーを置くにふさわしいトレーを見つけた。ハイジュエラーである〈カルティエ〉のそれは、伸び伸びと歩く豹(パンテール)が描かれている。はっきり言って、かなりキュートだ。しかもこの絵柄は、1914年に時計のデザインに使われて以来、メゾンにとって象徴的なパターン。ゴールドに縁取られて美しく輝いているトレーに、一粒ダイヤのネックレスを置くなんて、想像しただけで洒落ている。


家電の箱でカモフラージュ。
from  『オン・ザ・ロック』 (2020年)

サプライズは苦手……という人は、包装に小粋ないたずらを。ソフィア・コッポラ監督の『オン・ザ・ロック』は、遊び上手なビル・マーレイ演じる父親のフェリックスと夫の浮気を疑う娘ローラの物語。ローラにさらっと花束を渡したり、自分が大事にしていた時計を贈ったり、フェリックスにも習うところはあるのだが、これは! と思ったのが、身の潔白が証明されたローラの夫・ディーンのプレゼント。ディナーの席で「誕生日プレゼントの続き」と渡され、ローラが包みを剥がすと現れたのは調理器具「Thermomix」の箱。数日前の誕生日に渡されたのも調理器具で、また? と怪訝な顔をするもさらに開けると眩いボルドーのジュエリーボックス。そう、〈カルティエ〉!