フード

『TOKYO EAT-UP GUIDE』発売中

モーニング編

2021年8月2日

photo: Kazuharu Igarashi
text: Rio Hirai,Nozomi Hasegawa

好評発売中!
ムック本『TOKYO EAT-UP GUIDE -第3弾- 』から、
4軒のモーニングをウェブでも少しご紹介!


①蔦珈琲店のクロックムッシュ

『蔦珈琲店』のクロックムッシュセット
25年前から改良を重ねて、クレソンの量がどんどん増えていった。
クロックムッシュセット(¥1,300)

 10時というのは決して早起きではない。でも青山で朝からせかせかしても仕方ない。開店に合わせて『蔦珈琲店』の扉を開けて、窓側の席に座り、いつものように本でも読むか、たまには置いてある新聞でも開いて、朝食を待つ。「新鮮な野菜をたくさん食べられるのっていいでしょう」と言って店主の小山泰司さんが運んできてくれるクロックムッシュ、これが最高。こんなにたっぷりクレソンを食べられる朝はそうそうない。かき分けるとヤクルトが。なんだか健康的な気分。店を出る前にはお決まりの、小山さんの洒脱な下ネタを浴びて一日が始まる。

インフォメーション

蔦珈琲店

◯港区南青山5-11-20 ☎︎03・3498・6888 10:00〜22:00、土・・祝12:00〜20:00 月休


②東京豆漿生活の鹹豆漿

『東京豆漿生活』の「鹹豆漿(シェントウジャン)」
肉でんぶ(¥120)を追加でトッピングしても美味しい。鹹豆漿(¥500)

 東京でもおいしい「鹹豆漿(シェントウジャン)」を食べられるとは! 一向に読み方を覚えられないこの食べ物は、揚げパンと干し大根などが入った塩味の豆乳スープのことで、台湾の定番朝ごはんだ。神田で『東京豆花生活』を営む店主の田邊さんが「台湾の朝ごはん文化を日本でも」と『東京豆漿生活』をオープンしたのは2019年。お酢と醤油、ラー油をちょろりとかけた酸味のあるシンプルな味付けながら、店で搾った豆乳の優しい甘味に干し海老の旨味が加わって滋味深い。台湾の街並みのように緑の生い茂った建物で迎える朝も気持ちがいいね。

インフォメーション

東京豆漿生活

◯東京都品川区西五反田1-20-3 ☎︎03・6417・0335 9:00〜15:00、日休


③てんぷらと和食 山の上の和朝食

『てんぷらと和食 山の上』の和朝食
焼き魚におひたし、ちりめん山椒煮、明太子、煮物、小鉢、甘味、香の物、味噌汁……と盛りだくさん。(¥3,300)

 日本の文豪たちに愛された「山の上ホテル」の朝ごはんは、いつの日か一度は食べてみたいもの。見た目に鮮やかな洋風雑炊も捨てがたいけれど、やっぱり和朝食をしっかりいただく。クラシックなホテルの、気持ちよく朝日が差し込むテーブルに運ばれてくる和朝食は、煮物や焼き魚など全11品。少しずついろんなものが食べられる昔ながらの御膳だ。連泊客が毎日食べても飽きないように気遣われた料理は上品な薄味で、一口ずつ味わいながらゆっくりと堪能。感慨にふけり過ぎた自分を肯定したり否定したりしつつ、次は泊まりにくるぞと決意。

インフォメーション

てんぷらと和食 山の上

◯千代田区神田駿河台1-1 ☎︎03・3293・2836  7:00〜LO21:00(朝食は〜10:30) 無休


④tractor morningのブレックファストボウル

『tractor morning』のブレックファストボウル
アボカド、キヌア、チェリートマト、ポーチドエッグに、ペースト状のかぼちゃのソース。(¥1,000 )

 夜な夜な東京の遊び好きが集まる中目黒の『tractor』で、朝食が始まっていたなんて。決して明け方のシメ、ではない。シドニーで5年間、シェフとして働きガストロノミーを学んだ橋本亮さんが、朝8時からモーニングの営業を始めている。「シドニーでは朝にゆったり外食をする習慣があるんです」と話す橋本さんの朝食は、トレンドの要素もあるから彼女とのんびり食べたくなるけれど、見た目以上に腹が膨れる男の朝メシだ。明るいダイナーのような、この店の意外過ぎるモーニングの雰囲気は、自分の朝の生活を見直すきっかけになるかもしれない。

インフォメーション

tractor morning

◯目黒区中目黒1-3-5 ☎︎03・6303・3291 8:00〜16:00 不定休