フード

水炊きのように作る、クリームシチュー。

定番料理のニューディール。Vol.20

定番料理のニューディール。

photo: Haruki Anami
illustration: Cari Vander Yacht
text: Ryota Mukai
web edit: Miu Nakamura
2025年12月 944号初出

2025年11月10日

『BEARD』店主・料理人の原川慎一郎さんによる本誌の連載「定番料理のニューディール」。みんなが好きなお決まりのメニューを再考し、カンタンに、そしてちょっとお洒落に作る方法を料理人の原川慎一郎さんが提案します。POPEYE Webではそのレシピをムービーでご紹介。第20回はクリームシチュー!

にんじんのオレンジ、ブロッコリーのグリーンと、彩りが鮮やかなひと皿。食材の旨味が染み出したスープは濃厚だけど、軽い味わい。調味料は少しの塩だけで、化学調味料は一切使っていないから、食べ疲れせず食がどんどん進む。

– 材料(2人分)-

・鶏肉 250g
・にんじん 1本(150g程度)
・じゃがいも 1個(150g程度)
・かぼちゃ 1/4個(150g程度)
・玉ねぎ 1/2個(150g程度)
・舞茸 1株(60g程度)
・ブロッコリー 1/2個(150g程度)
・にんにく 1片
・バター 50g
・生クリーム 20㎖
・小麦粉 50g
・塩 5g
・水 500㎖

– 作り方 –

1. 鶏肉を切って、まんべんなく塩(2g)をふり、下味を付けます。今回使用する塩は、500㎖の水に対して、下ごしらえも含めて1%分だけです。

2. 鍋に水と、残りの塩(3g)を入れて、中火にかけます。水が温まるのを待たず、次々に食材をカットして鍋に投入します。

3. 火が通りにくい食材から、切って鍋へ入れる、ということを繰り返します。順番は、にんじん、じゃがいも、かぼちゃ、鶏肉、玉ねぎ、舞茸です。沸騰したら中弱火にして蓋をします。

4. 食材を茹でながらルウを作ります。粗めのみじん切りにしたにんにくと、賽の目に切ったバターを小鍋に入れて火にかけ、バターが溶けたら小麦粉を加え、弱火にしてかき混ぜましょう。粉っぽさがなくなり、シャバシャバになり、とろけるチーズほどの粘度が出てきたらOK。

5. にんじんとじゃがいもに火が通ったら、一口大にしたブロッコリーを鍋に加えて2分ほど煮て、生クリームを混ぜ合わせましょう。

6. ルウを加え、鍋をゆすり全体に馴染ませます。

– 今月の古来種 –
会津小菊かぼちゃ

福島県会津地方の在来種。古くから日本で作られてきた和かぼちゃのひとつで、西洋かぼちゃに比べてでこぼこした形としっとりした食感が特徴。「和かぼちゃならではの滋味深い味わいにぜひ触れてほしいです」

古来種野菜とは? 品種改良されず、日本各地の畑で長きにわたり受け継がれてきた種のこと。在来種とも。「野菜の民芸品のようなものです」

– 小さな流儀 –
器は整いすぎず、味があるものを。

『BEARD』の器は、『郡司製陶所』のもので統一。「オーバルプレート」(¥4,950)など、いつでも購入できる定番の形もある。手仕事ならではの風合いとシンプルさが魅力なのだそう。

プロフィール

水炊きのように作る、クリームシチュー。

原川慎一郎
『BEARD』店主

はらかわ・しんいちろう|1978年、静岡県生まれ。長崎県雲仙市でレストラン『BEARD』を営む。北海道函館市のカフェ『cafe water』のオーナーでもある。

Instagram
https://www.instagram.com/beard_shin_harakawa/