TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】もっと植物に近づこう

執筆:コウノリ

2025年8月24日

 ここ何年も、極力人の手が加えられていない、できるだけ作為のない、自然に存在する「生きた状態の植物エネルギー」を届けたいと感じます。ずっとどうしたらよりエネルギーの高いジュースができるか、を考えてきた結果は(#1でも書いた)「地球食いクオリティに近づきたい」。それが最も純度の高い自然エナジードリンクになると思うから。

photos by Sachie Abiko

 植物が土から離れて自分に近づいてくれるのを待つのではなく、自分が生きた植物にできるだけ近づいて生きたジュース作ろう。以来、日本国内は北海道から沖縄まで各地で、国外はロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィアで、小さなジュースマシンだけを持って、各地でその時の旬で、パワフルな生きた植物ジュースを作ってきました。その土地の環境とその時もっとも元気な植物の情報が詰まったジュースは、細胞に染み渡る自然覚醒体験が味わえます。

 国内での移動式ジュースバーを展開するにあたって、できるだけ環境負荷を少なく動きたい。そう感じて生まれたのが、サンシャインジュースの移動式ジュースバー「Sunshine Juice TEMPURA Wheels」(サンシャイン天ぷらウィールズ)。

photos by Pak Oksun

 車のボディは、20年ほど前のディーゼルエンジンのマツダボンゴ。屋根にはソーラーパネルを搭載、しかも部屋ができる仕様。そこで寝れて、ガソリンはフィルターした廃食油。旅をしながら、その土地の植物でジュースを搾る際のジュースマシーンの動力は、太陽光で取れるオフグリッドシステム。なのでどこにいてもジュースバーができる(畑の真ん中でも!)。

 そんな移動をしながら各地で仲良くなった飲食店に協力してもらい、揚げ物などに使われ廃油(通称天ぷら油)をもらって、フィルターして車に給油できる。排気ガスはキッチンの換気扇と同じ植物油の排気のため、めちゃくちゃクリーンに動く(ちなみにリッター10キロほどは走れます)。アーティストKami氏のアートワークが描かれたこのスペシャルな天ぷらカーで、旅をしながら自分が生きた植物に近づき、その時その場所でしか作れないジュースを各地の皆さんと共有しています。

 やっぱりせっかく暮らすなら美しい環境の方が人間も動物も植物も幸せなはず。どうせ動くなら少しでもクリーンに動けたらなと感じます。

 技術も進み様々なクリーンエネルギーの車がありますが、僕は天ぷらカーが好き。繋がりのある人たちのお店で使った廃油をもらい、フィルターして旅をし、オフグリッドでその季節と場所を感じられる植物をシンプルに体に染み渡るジュースで提供する。そんなものを飲むことは感覚と意識を拡げてくれるトリップ体験だと思っています。

プロフィール

コウノリ

日本、アメリカ、台湾での生活を経て、2014年に日本初のコールドプレスジュースショップ『サンシャインジュース』をオープン。以降、各地を旅して生産者とつながり、クオリティの高い植物の自然エネルギー全開ジュースを作る。東京恵比寿の店舗と京都浄土寺にあるラボをベースに「水を介して繋がること」を考えて、野菜ジュースでの自然覚醒体験を促す。

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