TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】フォルケの日記

執筆:Tamaki Iwao

2024年8月11日

私は今年の2月から4ヶ月くらいデンマークの西の端っこにあるフォルケホイスコーレにいっていた。フォルケホイスコーレはデンマークの教育機関でデンマークにはたくさんありそれぞれ音楽やスポーツ、アート、農業などに特化していたり、年齢も若い生徒が多い学校やお年寄りが行く学校などいろんなところがある。また20人くらいの小さな学校もあるし100人くらいのところもある。私の行ったフォルケホイスコーレは18歳から30歳くらいの生徒がいて8割がデンマーク人で2割がインターナショナルの生徒だった。私はそこでテキスタイル、セラミック、ペインティング、保存食、コンテンポラリーダンス、ワールドダンス、などをしていた。先生に一方的に教えてもらうっていうよりも先生も一緒に暮らしながら共に授業をつくっていくような感覚だった。そこでたくさんの友達と出会い過ごした日々は私にとって言葉に出来ないくらい素晴らしい日々だった。

そこで作ったもの食べたものフォルケで過ごした日々の日記より。

初めてここに着いた時からここが大好きって思った。友達とすれ違うたび笑顔でハイ!って言ってくれてうまくしゃべれないしいろいろ足りないところだらけの私をいつも友達が支えて受け入れてくれているのを感じていた。

今日は保存食のクラスでみんなで自転車に乗ってキノコ狩りに行った。結局取れたのはみんなで一つだけだったけど、食べられる草とか薬になる植物のことをいっぱい知った。午後は授業がなくて森を散歩したり糸を紡いでセーターを編んだ。

今日は友達と一緒に音楽を流して踊りながらケールのサラダを作った。最高に楽しかった。夜ご飯の後はみんなでポップコーン作って映画を観たり、服作りとかセラミックの続きをしたり焚き火を囲んで歌を歌ったり、サウナに入ったりみんな思い思いに時間を過ごす。

今日は初めてメッセージをいう時に、夜ピッピの映画を観るよってデンマーク語でみんなにいった。みんな優しくあったかく見守ってくれて励ましてくれる、すごく嬉しかった。

今日はペインティングのクラスでコキっていうのをした。裸のモデルをデッサンするのをコキって言うらしい。デッサンとかは苦手って思っていたけどすっごく楽しかった。

今日はセラミックのクラスでいっぱいタイニーピーポーを作った。毎回セラミックのオーブンが開いて出てくる作品を友達と見に行くのがとっても楽しみ!

フォルケではいっぱいいっぱい歌を歌った。そしていっぱい焚き火をした。でっかい焚き火を囲んで火を見ながらみんなで歌った。それから、毎日いっぱいいろんなものを作ってつくってつくりまくった。

絵、服、セラミック、セーター、フェルティングの帽子。日本にいた時もずっと作っていたけど、ここに来て本当に私は作るのが好きって思った。

毎日まいにちこんな素晴らしい友達に出会えたことに感謝でいっぱいだった。いつもみんなに親切に出来る友達をすごいなって思って本当にありがとうって思っていた。そして自分も少しでも友だちが喜ぶことがしたいって思っていた。

Tak fordi du er min ven. 友達でいてくれてありがとう。

プロフィール

Tamaki Iwao

いわお・たまき|アーティスト。2004年生まれ。小学生の時に家族で岡山に移住。現在はデンマークで暮らす。絵、陶器、ワイヤー、編み物、パッチワーク、キルティングなど身近な素材をつかって作る。服や帽子、セーターなど身につけるものも手作りするのが好き。日本各地での展示やライブペイント、2021 霧島アートの森「岡本仁が考える 楽しい編集って何だ?」での作品制作展示など。

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