TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
【#4】世界で一番好きな国インド②
執筆:伊武雅刀
2024年7月1日
誕生日をインドで迎える。70歳を迎える年の年頭に「今年は、ここまで無事に生きて来られた記念に誕生日は神社で迎えるっていうのはどうかな」「あら、良いわね。私は玉置神社がいいと思うけど、あなたは?」「伊勢神宮で、特別参拝してから滝原宮に行くのはどうかな」「滝原宮ね。良いんじゃない」。夫婦揃って神社好きなのである。
その年は伊勢詣り、翌年は出雲大社のある島根県の神魂神社、次の年には熊野の玉置神社、次の年に青森県の岩木山神社と誕生日ごとに好きな神社を3泊4日の旅程で回る。去年は何故か直島のベネッセハウスに泊まりアートに触れた旅となったが。
さて今年はどうしようかとなって、ふと、脳裏に浮かんだのが、真木さんのインドにあるガンガー工房だ。インドのリシュケシュの上、山岳地帯に13年前に真木千秋さんが作ったテキスタイルの工房。インドの高名な建築家ビジョイ氏が設計した自然の地形を活かして建造された素晴らしい工房の噂は聞いていた。西表島の石垣さんご夫妻も滞在して素敵な工房だったという話は伺っていた。宿泊施設も有ると言う。75歳の誕生日はインドで。素晴らしい計画じゃないか。
インドとなると3泊では無理だ、せめて10泊は必要だろう。ヨーガの聖地リシュケシュはガンジス川の上流に位置する。インド観光のハイライト、火葬場の横で沐浴する。ガートのあるバラナシの濁ったガンジスの水に比べればはるかに綺麗な水が流れている。その川のほとりで瞑想したら身も心も洗われるに違いない。
リシュケシュで4泊。真木さんの工房に行けば必ず布を買うだろう。インド綿のブロックプリントで人気のアノーキー本店があるジャイプールにも行ってみたい。75歳の誕生日、テーマは布の旅。まずデリーから入る。2泊してジャイプールへ。ジャイプールでショップを回り気に入ったクルタをまとめ買い。3日は必要だ。そしてリシュケシュに移動して4泊、ゆっくりヨーガと瞑想三昧に明け暮れ、この旅の最終目的地、ガンガー工房へ。
インドで迎えた誕生日。何度かインドへは足を運んだが、今回は最も記憶に残る旅となった。あきる野の真木さんの工房の展示会で日本に来日して美味しいインド料理を披露してくれたラケッシュ君の心のこもった料理も食べられたし、気に入った衣類も数点購入できたし、桃源郷のような工房で祝ってもらった誕生日は一生の思い出となった。誠に幸せな1日でした。
プロフィール
伊武雅刀
いぶ・まさとう | 俳優。1949年東京生まれ。ラジオを舞台にユニット「スネークマンショー」にて活躍し、放送・音楽界に大きな影響を与える。アニメ『宇宙戦艦ヤマト』にてデスラー総統の声優を担当。映画『太陽の帝国』テレビドラマ『白い巨塔』など出演作多数。待機作に、2024年7月よりSF漫画を実写ドラマ化した『七夕の国』(ディズニープラス)、2025年1月スタート「雲霧仁左衛門ファイナル」(NHKBS)がある。
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