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【#2】ケープバルブ

執筆: 〈大木ナーサリー〉大木俊明

2023年12月17日

photo & text: Toshiaki Ohgi
edit: Eri Machida

ケープバルブ

子供の頃からあまり派手な花よりも山野草のような小さな地味な花とか好きだったのですが、そのせいか最初から地味な原種もいろいろ集めました。

そのうち苗で買った原種が咲き始めたのでハイブリッドに掛けたらどんな花が咲くかな?と思って交配したら案外良い花が咲いたので以後いろんな原種を交配に使ってみた。

そうこういしていたらアパートの空地はクリスマスローズで一杯になってしまい、大家さんに怒られてしまい、一軒家に引っ越したがそこも1年で一杯になり、友人の紹介で八王子の広い庭のある一軒家に引っ越した。

小金井→国分寺→八王子とどんどん奥に・・・

その広い八王子の庭も3年目ぐらいで一杯になった。

八王子に越して来た時に3年後に独立出来たらなと思っていたら、山梨の土地をある方に紹介されたので見学に行った。

長坂と聞いて最初、どこなのかも分からなかった。

引っ越してきて、子供の頃テレビで見た清里や高原野菜で有名な八ヶ岳なのを知った。

山梨に縁もゆかりも無かったはずだが、他にあても無かったので即断した。

山梨に越してきて最初の何年かは今年も無事年越し出来るかな?ぐらいの生活だったが、それでもクリスマスローズ以外の花もいろいろ集めたりした。

当時仲良くなった人のブログでアルブカという葉がコイル状に巻く南アフリカの球根を見てアルブカなど形態の面白い植物に興味が出て集め始めた。

そこからは年に200万ぐらいはいろんな植物を買い集めるのに費やした。

知識が足りなかったり環境が合わなくてダメにしてにしてしまったものも多々あったが、それでも南アフリカの球根(ケープバルブと呼ぶ)に対する興味は尽きなくて気づいたらハウス4棟分にも増えて今商売に繋がっている。

ケープバルブの存在を気づかせてくれた友人に感謝。

プロフィール

大木俊明

おおぎ・としあき|1972年山口県生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。コムデギャルソンに勤務後、2007年に山梨県にて農場を始動し、現在に至る。

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