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〈BEAMS PLUS〉の秋冬コレクションをディレクターMZOが解説!
2023年8月30日
text: MZO
みなさん、こんにちは。〈BEAMS PLUS〉のディレクター、MZOこと溝端秀基です。前回、POPEYE Webに寄稿してからもう半年。2度目の登場です!
そろそろ夏服にも飽きてきた今日この頃。今年も〈BEAMS PLUS〉の秋冬コレクションがスタートしました。36体のスタイリングと、300種類ものアイテムが見られるコンテンツサイトもオープンしているので、ぜひお気に入りのアイテムを見つけに来てください。ちなみにアイテムの柄・色バリエーションを数えたら700種類を超えていました!
日本中を飛び回ってヴィンテージサンプルをかき集め、オリジナルファブリックを作り込み完成したコレクションです。ルックをご覧いただき、秋冬のコーディネートを楽しみにしてもらえたら……!(とはいえ、まだまだ暑いので逆効果かもしれませんね)

秋冬コレクションのキーワードの一つ目は「アウトドア」。
僕の趣味がアウトドアというわけではなく……コロナ禍後のライフスタイルに「アウトドア」と定義されるものが非常に広く、身近になったと思うんです。昨今のライフスタイルやファッションを提案していく中で、見逃すことができないキーワード。秋冬シーズンには特に活かすことができます。アイテムのバリエーションだけでなく、色使いやファブリックでも「アウトドア」を意識してコレクションを組み上げました。“Heavy Duty”と言われるタフさや機能性を、素材とデザインにこだわって表現しました。

今シーズン一押しスタイルがこちら。アウターは今シーズンから登場する新型の「Fishunting Jacket」です。せっかくなので、こちらの商品のヴィンテージサンプルもご覧ください!



ジャケットには、オリジナルファブリックを使用しています。ナイロンに特殊加工を施し、オイルドジャケットのような雰囲気で秋冬らしさを表現しました。もちろんこれは加工なので、イージーケアできるのも嬉しいポイント。見た目以上に軽いので、ぜひ店頭で袖を通して体験いただきたいです!
「秋冬シーズンに丈の短いのはなあ」という方は、このスタイリングのようにあえて丈の短長で見せるレイヤードスタイルに挑戦してみてください。同じモデルでも、素材違いでこんなにイメージが変わります。

コットンキャンバスで、よりクラシックな雰囲気に仕上げました。特殊加工を施し“変進開花”を遂げたような、何年も着込まれたような風合いが特徴です。そしてタッチ感も着心地も柔らか。また生地に加工を施すことで、クリーンで大人っぽい印象になりました。デニムジャケットのような雰囲気でコーディネートするのもいいですね。
実は、スタイリングに女性のモデルを起用したのは今回が初めて。Women’sサイズが登場したわけではなく「性別問わず、より多くの方々に着ていただきたい!」という思いからそうしました。これをきっかけに、多くの方々に〈BEAMS PLUS〉の洋服に手を伸ばしてもらえたら嬉しいです。僕らも女性モデルに洋服を着こなしてもらったことで、いつものスタイリングもこんな変わり方をするんだ! と発見できて楽しかったです。




続いて、ダウンジャケットの紹介へ。昨シーズンも好評だった〈BEAMS PLUS〉の「Expedition Down」をアップデートしました。「どこをアップデートするんですか?」という声も聞こえてきそうですが、今回は中身が変わっています。ダウンの“モリモリ感”は残したまま、保温性・着心地・軽さの3点を追求。800フィルパワーのダウンを使用し、最強の探険用ダウンへと変化を遂げました。


ベースになったのは、1960年代後半に老舗アウトドアショップが制作していたヴィンテージモデル。ボリューム感のあるシルエットは残しながらも、着心地を上げるために、ポケットワークをはじめとした細かい部分の調整を重ねました。年々気温が上がっていると言われていますが、やっぱり冬は寒いですからね。
秋冬コレクションのもう一つのキーワードは〈BEAMS PLUS〉の十八番である「オリジナルファブリック」。今回は「ジャカード織」に注目して、たくさんの素材を織りました。代表的なアイテムを紹介します。


どちらのアイテムも、ミリタリーやハンティングのカモフラージュ。普段なら、プリントで表現していた柄ですが、今回は「ジャカード織」の技法を採用。ミリタリーとは交わることがない“エレガント”さ漂うこの雰囲気。写真では伝わりきらないのが残念ですが、生地の表面も奥行きが出ていて、非常に味わい深い仕上がりです。


こちらは〈BEAMS PLUS〉の春夏定番のオリエンタルファブリックのプリント表現をジャカード織にて再現。ブロックプリントのスタンプワークを逆手に取り、糸使いで柄の凹凸感を表現してみました。
思い返せば、秋冬シーズンの始まりは2022年の4月。日本でも有数のジャカードの産地、山形県の米沢を訪問するところからスタートしました。ジャカードに編み上げられたニットやTシャツは定番化しつつあるものの、ジャケットや、パンツ、コートの布帛生地織の技法は僕らもわからないことだらけ。「どんなスタイルに落とし込めば、ブランドらしさが出るだろう」なんて言いながら機屋を周り、職人の方々と試行錯誤。悩みに悩んで、僕らが力を入れている柄使いからヒントを得て、カモフラージュやバティックを採用することに決めました。これからもたくさんの素材使いや原料研究を進め〈BEAMS PLUS〉らしいモノ作りに励んでまいります!
まだまだたくさん紹介したいものがありますが、今回はこの辺で。秋冬シーズン後半には、バリエーション豊富なニットも登場しますのでお楽しみに。
プロフィール
溝端秀基
みぞばた・ひでき|1982年、大阪府生まれ。2016年に〈BEAMS PLUS〉のディレクターに就任。仕事仲間からは“MZO(みぞ)”という愛称で親しまれている。
インフォメーション

BEAMS PLUS
店頭にも少しずつですが、新商品が入荷してます。今シーズンの一推しアイテム「Fishunting Jacket」で作り込んだ、ビームス プラス 原宿店のウィンドウディスプレイも圧巻です。
Instagram
https://www.instagram.com/beams_plus/
https://www.instagram.com/beams_plus_harajuku/
Official Website
https://www.beams.co.jp/special/beamsplus/2023aw/
YouTube(Look movie)
https://youtube.com/playlist?list=PLHw3-hYZRGxaTdHwr6KTJGqg6p7sftNH-&feature=shared
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