カルチャー
さーて、7月はどんな展示に行こうかな。
気持ちもアツくなる夏の展示4選。
2023年7月8日
text: Ryoma Uchida
本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語
@東京都写真美術館

©Motohashi Seiichi

©Atelier Robert Doisneau / Contact
本橋成一は1940年に東京に生まれた写真家。『アレクセイと泉』『アラヤシキの住人たち』といった映像作品を制作してきた映画監督でもある。一方、ロベール・ドアノーは1912 年生まれのフランスの写真家。報道やファッション分野で活躍してきた彼は本橋と生きた時代も場所も違う。しかし、奇しくも彼らは都市、炭鉱、サーカス、市場といった同じテーマを扱ってきた。スポットライトが当たらない市井の人々にカメラを向け、文字通り”光を当て”てきたのだ。二人の作品を見て印象に残るのは、映された人々が自信に満ちた表情や振る舞いをしていることだ。慎ましくも懸命に生きる人々の営みの中に力強さと豊かさを見出し、失われゆく光景とともに写真に収めている。本展では、そんな風にそれぞれの作品がもつ美しさやパワーはもちろんのこと、レンズを通した眼差しの意味をじっくり考えることができそう。本橋監督作品の特別上映(無料!)や、夏の夜間開館延長「サマーナイトミュージアム」で鑑賞するのも乙な楽しみ方だ!
インフォメーション
本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語
会場:東京都写真美術館
会期:2023年6月16日(金)~9月24日(日)
時間:10:00~18:00(木・金曜日は20:00まで、図書室を除く) ※入館は閉館時間の30分前まで、「サマーナイトミュージアム」は詳細ページをチェック。
休み:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
料金:一般800円、学生640円、中高生・65歳以上400円
☆☆☆☆☆☆☆
@CON_


若手アーティストを扱う注目のギャラリーが増えてきて、なにかと気になるのが日本橋・馬喰町エリア。まるかビル4Fにある『CON_』もその一つである。現在は、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックスギロチンディ)の初個展を開催中。一度聞いたら忘れられないネーミング。99年生まれのルーキーながら、その作品も一度見れば強く印象に残ること間違いなし。漫画、映画などのサブカルチャーに影響を受けた物語的なアプローチが特徴的で、黒い獣を主人公とした長編プロジェクト「獸(JYU)」(2021年より継続中〜)では、複雑な都市空間と都会で生きる若者の身体性などがモチーフとして扱われ、東京で生まれ育ったという作家のアイデンティティが色濃く感じられる。本展ではそうした近年の展示から平面や立体作品が集まっており、精力的な活動の一端を垣間見ることができる。
インフォメーション
☆☆☆☆☆☆☆
会場:CON_
会期:2023年6月17日(土)〜7月16日(日)
時間:14:00〜19:00
休み:月・火・水・祝日
料金:無料
トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2023 成果発表展「誰かのシステムがめぐる時」
@トーキョーアーツアンドスペース本郷

《Candlestick Man》 2023
Photo: Tyler Coburn
日本は電車の時間が正確だから、友達との待ち合わせや仕事でも時間通りにきっちり行動する人が多い、なんて話を小耳に挟んだことがある。その真偽はともかく、社会のインフラやシステムが人の行動の決定に影響を与えているというのはありそうだ。政治・経済・生態系……etc、社会は、多様な”システム”で形成されている。マクロな仕組みは、自分たちのミクロな営みにもたくさん影響しているはず。トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS本郷)にてスタートした今年度のレジデンス・プログラムの成果発表展タイトルは「誰かのシステムがめぐる時」。11組のアーティストたちがそれぞれの視点から、複雑化していく社会構造と自身の関係性を探るという、多くの示唆を与えてくれそうな展示だ! ちなみに、7月21日(金)から3日間墨田区のTOKASレジデンシーにて、現在滞在中の8組のクリエーターの制作やリサーチの様子を公開する「オープン・スタジオ 2023-2024/ 7月」も開催予定。こちらも詳細をチェック!
インフォメーション
誰かのシステムがめぐる時
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
会期:第1期:2023年7月1日(土) 〜8月6日(日)/第2期:2023年8月19日(土) 〜9月24日(日)
時間:11:00〜19:00
休み:月曜日(7/17、9/18は開館)、7月18日(火)、9月19日(火)
料金:無料
冨安 由真 影にのぞむ
@原爆の図丸木美術館

埼玉県東松山市にある『原爆の図丸木美術館』は、画家の丸木位里・丸木俊夫妻によって建てられ、32年にわたる共同制作の大作《原爆の図》を鑑賞することができる美術館だ。今月8日からは、企画展としてアーティスト・冨安由真による個展『影にのぞむ』が開催。心霊や超常現象、夢など、目に見えないもの、科学的に解明できないことをテーマに作品を扱い、没入型のインスタレーション作品や平面から立体、舞台美術まで、多様なメディアで表現をしてきた作家であるが、今回の展示では、被爆3世で広島生まれであるという自身のルーツに向き合う。実際に被爆者の方に会い、リサーチベースで制作をしてより普遍的な表現を模索したという。たしかに、だんだんと戦争を経験した世代の話が聞けなくなってきているし、歴史とはある種”不可視”なものだ。『影にのぞむ』というタイトルからは様々なことが読み取れるが、ここでは語らず、まずは会場に行って向き合ってみたい!
インフォメーション
冨安 由真 影にのぞむ
会場:原爆の図丸木美術館
会期:2023年7月8日(土)~9月24日(日)
時間:9:00〜17:00
休み:月曜日(月曜祝日の場合は翌平日)、8月1日(火)〜15日(火)は無休
料金:一般900円、中高生または18歳未満600円、60歳以上800円
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