ライフスタイル
早起きは二本の杖。- ビバ!ノルディックウォーキング –
2022年12月13日
illustration: Yukio Kurosawa
photo: Hiroshi Nakamura
text: Toromatsu
朝早く目が覚めてしまったとき、スマホをいじって過ごすのか、はたまた着替えて外へ出るのか。どちらのほうが体や脳に良いかなんて言うまでもないよね。ジョギングをするのも悪くないけど、朝からハードなのはちょっとなぁ……という人には近所でウォーキングすることをおススメしたい。ただしポールを持って(笑)。
いやいや、年配の人がやっているあれでしょ? と思った人、それも間違えてはいないけど、あれをただのフィットネスと侮ってはいけないぞ。正式名称はノルディックウォーキング。フィンランドで1930年代にクロスカントリースキーチームの夏場のトレーニングとして生まれたのが始まりとされている(日本には協会もあるから、正しい歩き方みたいなのは調べてみて)。
良いところをざっくり言うと、まずトレッキング時を除けばジョギングのようにハードすぎないところ。それなのにポールを持っていることで全身の約90%を活用して歩行するから、通常のウォーキングに比べて20~30%も運動量がアップし、首・肩や腰痛にも効果的と言われているのだ。そのうえ、家の周りの普段通らない道を歩くと、自転車やランでは気付かなかった新しい道に出会えたりもするから結構文化的な遊びだったりもする。
揃えるものもポールのみと極めてイージー。長さを調節できる専用のものがあって、大抵のスポーツ量販店で購入できる。ちなみにオフィシャルではないが、あえてルーツを重んじてスキーストックを用いるのもルックスグッドだ。歩きゆえに、ランニングウエアに頼ったりせずともできるし、むしろヘビーデューティーな手持ちのカジュアルウエアの方がサマになるのもアーバンアウトドア的でいい。
あとはお気に入りのラジオなんかを聴きながら歩くと楽しさが倍増することも間違いなし(できればイヤホンではなく、鳥の声や、車の音などの自然のサウンドも感じられるように、胸ポケットに入れたスマホから直接音を流すのが理想)。ひと気の少ない東京の朝は、日中には見られない生き物や街景色もあって、まさしく早起きの三文の徳を味わえるのだ。
ポールを持つだけで不思議とモチベーションがあがるから、布団から出たくない人が多くなるこの冬の朝にこそ、騙されたと思ってひっそりと試してみてほしい。
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