ライフスタイル
「北東北の」実用逸品!Vol.6
岡部文彦/山のスタイリスト
2022年7月28日
photo: Akiko Sato
text: Fumihiko Okabe
edit: Masaru Tatsuki
岡部文彦 きこり見習い 現在岩手県岩泉町在住 1976年、岩手県小岩井生まれ。
![鳶口](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/IMG_0215-1600x2133.jpg)
今、学んでいる林業現場で先輩たちみんなが使っていることから、自分も手に入れた「鳶口」という珍しい道具。林業専用の道具だと思い込んで調べてみたならば、どうやらそうではないらしい。江戸時代から鳶職の人たちが、建物の解体や火消し用に使っていたのだそうだ。でもきっと、今は、林業関係の人しか使わないんじゃないだろうか? 新木場の材木屋さんとかも使っていそうだけど。。とりあえず、鳶口とは?
![鳶口を使う岡部文彦さん](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/16460652863115.jpg)
丸太を動かす時に使う鋳鉄の道具。猛禽類のトンビの嘴に似てるからこの名前になったんだろうか? でも、すごく大きくて重たい丸太も、この鳶口で動かすことができる優れた昔からの道具。使い方は結構コツが必要で難しいのだが、慣れていくうちに、重たい丸太も思い通りに動かせるようになり、使い心地が気持ちよくなる。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/IMG_1265-1600x2133.jpg)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/IMG_7983-1600x2133.jpg)
爪の先に返しのような小さなフックがあって、これが幹に食い込んで、引っ張る時になかなか外れないのである。外国の林業系メーカーにも同じ道具があるが、この日本独特な鍛冶屋製の鋳鉄のギアを使ってる感覚がなんとも気分がいいわけで。。。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/16460652721192.jpg)
岩手で出回っている鳶口はこの辺独自の形らしく、『南部鳶』といって、隣町の岩手町にあった鍛冶屋が生み出した形なのだそうだ。柄はイタヤカエデがいいらしく、地元の荒物屋さんで柄も売っていたので、先輩に教わりながら、自分で削って取り付けてみた。先輩たちは皆、山で見つけた手頃な木を自分で削った自作の柄を取り付けていて、これまたかっこいいのである。
プロフィール
岡部文彦
Official Website
https://www.vallicans.com
http://www.harvesta.net
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