ライフスタイル
【#3】ガス抜き
2022年6月23日
photo & text: BONNIE PINK
edit: Yukako Kazuno
Covid-19パンデミックの影響か? ここ数年のキャンプブームに拍車がかかり、今やどこのキャンプ場に行ってもテント過密の野外フェス状態。都会の喧騒からラナウェイして来たはずなのに…、やはりファミリー層に人気のキャンプサイトはタイミング被っちゃいますね。移動時間と準備・片付けの面倒臭さはあるものの、不自由という自由を楽しむために人は大自然に向かうし、”不自由無理~”という人もグランピングならOKと山や海に深呼吸しに行く時代になりました。
私が20代〜30代の頃、度々仕事でスウェーデンを訪れていました。それはもう直感的に。スウェーデン第3の都市のマルメという港町。エコ・シティーを歌うマルメには公園と緑と水辺が多く、アメリカのオンラインマガジンGristが選ぶ「緑の都市トップ15」の第4位に選ばれているほど。とにかく水と空気が綺麗で、デビューして上京してから発症した私のひどい喘息も、マルメに行ってたったの2日間で完治してしまったほど。『この木なんの木、気になる木』みたいな大木の木陰でぼんやりしたり、野鳥に遠慮しながら美しい芝生の上を散歩したり。レコーディングで訪れていたけど、今こそお金で買いたいくらいの穏やかで清々しい日常がそこにはあって、年に数回行くことで心身のバランスを保っていたように思います。

私が生まれ育った京都も山に囲まれた盆地で、都会なのに街のど真ん中に鴨川というおっきな川が流れていて、自然はいつも手の届く距離にありました。学生時代、その河川敷に座ってぼーっと川やそこに生息するサギを眺めながら友達とおやつ食べて恋話してたなぁとか、祖父母が住んでいた田舎を訪ねては松茸狩りや栗拾いしたなぁとか、ふと蘇る他愛もない原風景。もう京都より東京の方が長いのに、いつも心にそこはかとない「ここじゃない感」があって、それはきっと時間の流れ方の違いだろうと思います。話すスピードも歩くスピードも、京都の方がゆっくり・ほっこりしている。高い建物がない京都だから、ふと顔をあげると視界に山が入ってくる。大きな山や大きな川を前にしたら、心の内の小さいことは「ま、えっか」となる。
休日キャンプに向かう理由、緑と水の街マルメに私が共鳴したのは、圧倒的な自然の前にひれ伏して瞬間的にデトックスできるから。そしてまた京都人のほっこりスピードで歩き出せる。サブスクの別荘なるものに登録した友人家族もいるし、Uber配達で汗を流して整えているという友達もいる。ガス抜き方法も進化して来ているけど、ひょいっと里帰りするのが私には一番手っ取り早いのかもしれない。
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