藤原新也がインド・ガンジス川で撮影した写真は「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」のキャッチコピーと共に、日本の社会に大きな衝撃を与えた。それから半世紀、「生と死」を写真と自らの言葉で捉え続けてきた藤原の今に迫る。
『スペンサー ダイアナの決意』パブロ・ラライン(監)を観る。

最近、元気で明るいファッションアイコン的な遇され方をしている故·ダイアナ元皇太子妃だが、彼女のそれとは別の側面にフォーカスしたのが本作だ。舞台は1991年のクリスマス。もはやチャールズ皇太子との関係は完全に冷え切っているというのに、エリザベス女王の私邸にお呼ばれてしまったダイアナの苦悩の3日間を描く。クリステン・スチュワートがダイアナを演じているのだが、最近の彼女の出演作には外れがないなぁ。10月14日より公開。
Waku「Afterimage」@Gallery COMMON

アーティストのWakuが新作を展示した個展「Afterimage」を開催。今までは「形に一定の意味があることへの違和感」から、ネオンサインを抽象化して光のみを取り出すといった、純粋なネオンそのものを追求していたWaku。今回の展示においては、そういった抽象化の作業から一転、ネオンサインに宿る、抽象化しても消えない強固な記号性に着目して作品を制作。アンディー・ウォーホルやジェニー・ホルツァーらがブロードウェイ広告や電光掲示板といった記号に消費社会の啓示的役割を見出したように、ネオンサインもまたその造形以上のメッセージ性を孕んでいるのだ。鑑賞しながら「これってもしかして”あれ”じゃない?」って思うはずだが、ただの形にそう思うこと自体がちょっとした異常事態ってわけだ。キャッチーな作品なのに、我々の無意識レベルの、オートマチックな認知システムを炙り出されるかのようなハッとさせられる展示だ。
会場:Gallery COMMON
会期:2022年10月15日(土)~2022年11月13日(日)
時間:12:00 〜 19:00
休み:月・火曜日
料金:無料
光藤雄介 「行間」 @msb gallery

工場見学に行くと、同じ製品がスピーディーに量産されていく様をみることができる。ベルトコンベアがただ流れる姿はどこか不思議で、ずっと見ていられる。しかしふと気づくと、自分たちの日常もありふれていて量産的で、起きて寝るという生活そのものが反復のなかにあるような気がしてくる。光藤さんの作品は一般的なペンと定規を用いて紙に線を引くという反復作業により成り立っている。あえて同じことを繰り返すことで、そこには自らの意識や記憶を超えた線が引かれている。その線は太かったり、ずれていたり、一本として同じものはない。量産され、意思すら消えた反復される行為のなかにも、個が存在するのだ。そう、あたりまえだけど我々は工業製品ではなく、人間だから。「行間」と名付けられたこの展示は、そんな風に自分を肯定してくれているような気がする。
会場:msb gallery
会期:2022年10月6日(木)〜10月16日(日)
時間:12:00〜19:00(最終日17:00まで)
休み:月曜日
料金:無料
山瀬まゆみ『The elephant in the room』@Lurf MUSEUM 2F

代官山『Lurf MUSEUM 2F』にて、アーティスト・ 山瀬まゆみの個展『The elephant in the room』が開催中!本展に合わせて制作されたグッズも店頭&オンラインにて販売中なので公式サイトを覗いてみよう。初作品集もチェック!
会期:9月16日(金)~ 10月30日(日)
住所:東京都渋谷区猿楽町 28-13 Roob1 入場無料
※ 展示作品は一部販売いたします
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POP-EYE MEETING 編集会議 Vol.13 昼の馬喰町と夜の代々木公園。トークゲスト・山瀬まゆみ
『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』を読む。

高鳥都(著)
1972年に放送開始した『必殺』シリーズは、我らが池波正太郎先生が原作を務める時代劇だ。『水戸黄門』などの勧善懲悪ものとは異なる、アウトローたちのハードボイルドな世界観はいかにして作られたのか? スタッフなど総勢30名への徹底取材を通して解き明かす。なんと『必殺仕置人』『新必殺仕置人』で“念仏の鉄”を演じた山崎努さんへのインタビューまで収録されている! ¥2,750/立東舎
Goozen meet me シリーズ#5 岡元俊雄 (やまなみ工房) x 濱崎仁精 展 「土を着る」@Goozen

横浜・弘明寺にあるギャラリー、Goozenにて展示開催中。滋賀県甲賀市にある障害者福祉施設「やまなみ工房」に所属するアーティスト・岡元俊雄と広島県尾道に在住のアーティスト・濱崎仁精の作品を展示。それぞれの作品に広がる力強さをぜひ体験あれ!
会場:Goozen
会期:10月5日(水)~ 10月27日(木)
時間:13 : 00~19:30( 最終日18 : 30まで )
休:月、火、金曜
Punk! The Revolution of Everyday Life@ 港まちポットラックビル

昨年より国内5ヶ所を巡回してきた「Punk! The Revolution of Everyday Life」展が名古屋・港まちポットラックビルに着港。パンクといえばモヒカン、スキンヘッド、ヴィヴィアン・ウエストウッドといったファッションスタイルや音楽にフィーチャーされがちだけど、ここで取り上げるのはそれだけじゃなく「D.I.Y」「相互扶助」に代表される社会問題への実践や批評性そして現代アートとの親和性だ。今回の巡回では愛知県豊田市で開催されるパンクスなイベント「橋の下世界音楽祭」を紹介するパートも追加されるそう。これまでに見逃してしまった人、まだ見てない人は急げ! まあ”勝手にしやがれ!!”って感じだけどね!
会場:港まちポットラックビル3F
会期:2022年8月26日(金)〜 11月12日(土)
時間:11:00 〜 19:00(入場は閉館30分前まで)
休み:日・月・祝
料金:無料
髙橋恭司 「Ghost」@LOKO GALLERY

90年代から国内外のファッション・カルチャー誌で多岐に渡り活動した写真家・髙橋恭司。インターネットの台頭前、雑誌や広告といったメディアがより臨場感やリアリティを持っていた時代に最前線で活躍し、その後の写真家たちに多大な影響を与えてきた。写真に写るのは必ず「過去」であり、時間の亡霊(Ghost)だ。髙橋氏が一体どんな時間を切り取ってきたのか。SNSなどで写真がより身近になった現代において、その30年に渡る活動を文脈づける。作品集『Ghost』の出版や、豪華なトークイベントもあるよ!
会場:LOKO GALLERY
会期:2022年9月16日(金)〜10月16日(日)
オープニング:9月16日(金)17時半〜20時半 *予約不要
時間:11時〜19時(水〜土)/12時〜18時(日)
休み:月・火・祝日
料金:無料