カルチャー

数式が織りなすカタチの展覧会

Mathematical Models@DAIKANYAMA TSUTAYA BOOKS GALLERY SPACE

2022年3月24日

text: Shogo Kawabata

本誌連載「机の上のサイエンス」でも紹介した、流麗で美しいフォルムを持つ数理模型。この造形美は、鑑賞を目的したものでなく、難解な数式を目に見える形で立体化させたものなのだ。例えば、中央の螺旋状の模型は「線分が等速で上っていくときにできる螺旋面は、表面積が最小化された極小曲面の一例である」ということを表した模型である。そんな数理模型が一堂に展示されるエキシビジョン「Mathematical Models」代官山 蔦屋書店 ギャラリースペースにて開催される。

もともと、数理模型は19世紀後半あたりにドイツで作られていた教材なのだけど、それをお手本に昭和初期に日本でも作られるようになった。そのメーカーの一つが大阪にある「加藤数物製作所」だ。ドイツ製のものは石膏製だったが、当時、木地師や建具師を多く抱えていた加藤数物製作所では、より強度が高く、重量も軽い木製にこだわり、その複雑な形状を木から削り出すというなんとも手のかかる独自の製法を採用。これにより、学生たちが手に持って観察のしやすい数理模型を実現した。

そんな加藤数物製作所に保管されていた数理模型と、加藤数物製作所による数理模型を多数収蔵している奈良女子大学のコレクションを撮影し、その造形の数学的意味を解説したガイドブック「Mathematical Models」(STRAIGHT)も、このエキシビジョンに合わせて発売される。奈良女子大学研究院の篠田教授によるわかりやすい解説とともに、写真家 山口 明氏による美しい写真がふんだんに使われたヴィジュアルブック的な側面も持ち、文系でも強く知的好奇心を揺さぶられる一冊だ。

また過去数理模型アーカイブから厳選された4種の模型がこのエキシビョンに合わせて復刻され、各10~20点が限定先行販売される。職人の手仕事による木地加工と、数値制御の最新の加工技術の組み合わせにより、現在に蘇った美しい木製数理模型をぜひ手にしてみてほしい。また4/23からは奈良 蔦屋書店 天平ギャラリーでも開催される。

INFORMATION

Mathematical Models -数式が織りなすカタチの展覧会-

会期:2022.4.1-15
会場:代官山 蔦屋書店 ギャラリースペース 東京都渋谷区猿楽町17-5
時間:9:00-22:00(無休)

会期:2022.4.23-5/8
会場:奈良蔦屋書店 天平ギャラリー 奈良県奈良市三条大路1丁目691-1
時間:8:00-23:00(無休)
WEB https://straight-books.com/mathematicalmodels