【#1】冬はつとめてすぎ
2021.12.20(Mon)
photo & text: Kotori Kawashima
edit: Yu Kokubu
幡ヶ谷のパドラーズコーヒー内のイベントスペースで今展覧会をしています。先日パドラーズの加藤さんと打ち合わせをしたところ、コーヒー屋さんのオープンが7時半からで、ギャラリーも同時にオープンしてほしいとのこと!普段から寒いのと早起きが苦手で、冬の3ヶ月は冬眠していたい気持ちがベースにあるので、内心焦りました。でも、冬にしかない透明感のある白い空気を感じるにはいいチャンスなのかも、、、
冬の3ヶ月で思い出すのは約10年前に台湾に住み始めて、中国語の塾に通いながら過ごしていた頃。台北は盆地で、冬の間は雨が多く思ったより寒い、骨身にしみる寒さというやつ。暮らしてみて初めて気づきました。
住んでいた部屋にはシャワーしかなく、ホームセンターで買ってきたベビーバスにお湯をためて無理やり半身浴していました。毎朝がんばって早起きして、道すがら肉まんを買い食いして学校へ。孤独で、でも忘れられない大切な3ヶ月です。珍しく晴れた日に、川の近くを散歩した時に出会った白い子犬。その時も白くて透明な空気の中にいました。
川島小鳥
かわしま・ことり|1980年、東京都生まれ。写真家。主な作品集に『BABY BABY』『未来ちゃん』『明星』『おやすみ神たち』(詩人・谷川俊太郎との共著)等がある。現在「PADDLERS COFFEE」内のイベントスペースにてPIYO PIYO PRESSによるスペシャルイベント『PIYO PIYO X’MAS』が開催中。4月1日には蔦屋書店より写真集『おはようもしもしあいしてる』が発売予定。