TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
FASHION

【#3】アバウト・テニス

2021.12.02(Thu)


text & photo: Nikolaj Hansson
translation: Catherine Lealand

 これまで私は、デザインやファッションの分野でブランディングやコミュニケーションの仕事を手がけてきました。しかし、ウェアのデザインや生産を行ったことはありません。そんな私が、テニスカルチャーをルーツとした、コート内外で着用できる現代のメンズウェアブランドとして立ち上げたのが「Palmes」です。私はブランドの在り方や見た目、雰囲気などのイメージを持っていましたが、それと同じくらい、いやそれ以上に重要だったのが、最高の製品を作ること。ストーリーはいいけど製品がいまいち。「Palmes」をそういうものにはしたくなかったのです。実際、私たちのデザインを実際に目にすれば、たとえブランドについて何も知らなかったとしても、人々は引き寄せられるに違いありません。

 洋服作りの経験がほとんどない私は、信頼できる素材で長持ちするデザインを作るため、パターンメイキング、生産、グラフィックデザインの分野で最高の人材を見つけようという考え、知り合いの本当に素晴らしい人たちに連絡を取りました。

 そのうちの一人がカミラです。彼女は驚くべき訓練を受けたテーラーで、パターンメイキングも手がけています。「Palmes」のアイデアは彼女と一緒に考えたもので、彼女なしでは実現できませんでした。私たちが目指したのは、テニスをしているときはもちろん、日常生活でも同じように、心地よく動ける服を作ることでした。そのために、ショーツにはより自由な動きを可能にするパネルを挿入したり、テニスボールを3個入れても大丈夫なようにポケットを大きくしたりしました。また、彼女は下の写真のようなグラフィックも担当しています。

 私にとって、ソフトで優しい手触りを持ち、信頼できる素材で作られていることも非常に重要でした。実際、Tシャツ、ポロシャツ、ラグビーシャツは、すべて100%オーガニックコットンを使用しています。また、パーカー、クルーネック、スウェットパンツなどのスウェット素材は、オーガニックコットン50%とリサイクルコットン50%を使用していますが、これらはすべてプレウォッシュされており、着古したような美しい外観とソフトな手触りを実現しています。

 中でも私が気に入っているのが、「レオ・ベスト」というアイテム。ボリス・ベッカー、ステファン・エドバーグ、アンドレ・アガシ、ビョルン・ボルグなど、70年代から80年代にかけてのテニス・アイコンが着ていたベストにインスパイアされたものです。リサイクルされたオーガニックコットンを使用し、胸元には同色のフロッキープリントがさりげなく施されていて、いい感じ。オフィスや外出時も着ていますし、コート上でテニスをするときにも着ています。つまり、テニスの世界と快適で格好良い日常着との架け橋になってくれているのです。これこそが「Palmes」が目指しているに他なりません。

プロフィール

Nikolaj Hansson

ニコライ・ハンソン|デンマーク生まれ。2021 年、クラシックなテニスウェアの上品さから着想を得た、現代的なメンズウェア ブランド 〈Palmes〉 を立ち上げた。

WEB
https://palmes.co/

Instagram
https://www.instagram.com/palmes.society/

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