はじめまして。
東京の上北沢でタチアナ焙煎所というコーヒーショップを営んでおります、山下と申します。コーヒーの道を歩むと決めて、30歳で西小山の純喫茶と時間給契約を結び、8年間、街ならではのサービスを学びました。
そこでは常連さんの顔、名前、好みを覚え、いわゆる「いつもの」をアイコンタクトで提供する、喫茶店のオペレーションを体に染み込ませます。
常連さんのほとんどは第二の人生を喫茶店と共に生きる達人。
その中から4名の太客を紹介するコラムです。
第1回
富田さん
・ホットコーヒー(お砂糖のみ)
・回数券所持
・1日3回来店
60歳でキッチリ定年退職を果たし、そこからは見事に喫茶店とパチンコの毎日。憎まれ口をよく叩き、マスターと顔を合わせれば口喧嘩。が、一度だけ[ありがとう]と印字されているクッキーを投げわたされる。
“暇でしょうがない”が口癖。
定年後の人生の長さを富田さんは身をもって教えてくれました。
