トリップ

【#3】プーアル茶を巡る旅。

2021年11月27日

 偶然出会ったお茶屋さんは、見ず知らずの外国人の私達を毎日違う産地まで連れて行ってくれました。朝一番、ホカホカの肉まんを買ってきてくれ車内で食べながら出発。帰りは夕暮れの空を眺め窓を全開にして歌を歌って帰る。動物達に遭遇する度に身を乗り出してみんなでうわぁ〜〜!!と小学生の様になっていました。

アヒルの大群。

 産地ごとに味わいの異なるプーアル茶。少数民族の人たちと交流し、お茶を飲ませてもらうというなんとも贅沢な生きた勉強をさせてもらいました。中国茶の本を読んでも作り方の説明がどうしても頭に入ってこなかった事がスルスルと入ってきました。

 滑りやすい赤土の急斜面に生える、大きな茶の木の葉を手摘みする事は想像以上に大変で危険です。

 大きな茶の葉は肉厚で柔らかく、花の香りが漂い摘んだ葉の上にダイブしたくなりました。

 薪火で200度にもなる大きな鉄鍋の中、炒め続ける作業は重労働です。

 お茶を揉みながらベトベトしてくる葉の感覚は生々しく、五感が刺激されます。

女性達と出来上がったお茶の選別作業は、ひと時現地の人になりきりました。

 大きなホーローのマグカップで飲むプーアル茶は黒くてくせのあるお茶ではなく、澄んだ色で、ワイルドな緑茶のような味わいでした。
 生きていると面白い経験をするものです。好きなものを追っかけていたら雲南の深い森の中、玉手箱を開けた時のような時間に出会えました。

続く。