カルチャー

【#4】終わり

吉田昌平さんの1ヶ月限定コラム(全4話)

2021年9月30日

今回で最終回。こんな僕にこんな機会を与えてくださり本当感謝してます。「最後はビシッと。きめてやる!」と思っていたのですがどうも何を話せばいいのやら。なので素直に「終わり」をキーワードに話せれたらと。

さてコラージュをやっていてよく言われるのが、「どこで終わるのか難しいそう」と言われることがよくあります。僕は、ほぼなんとなく「あ~これでいいかな」で終わります。まれに「これがいいです!」とビシッと終わるときも。逆に永遠と終わらないので途中で逃げ出したコラージュも。ただ僕はコラージュに関しては自分が納得できる許容範囲が広いのだと思います。コラージュは偶然も多いのでそれを楽しんでいる部分もあります。OKの範囲が広いと何でも許せるのです。「許してしまうと全て愛おしく見えるのです」って、どこかの嘘くさい勧誘みたいなことを思ったり。逆にデザインのお仕事は許容範囲は狭く面倒な人だと思います。そうやってシーソーのように「仕事」と「コラージュ」がバランスを保って生活しているのだと感じてます。

そして最後に。自分が素敵だなと思う人はいつも「終わり方」が上手だなと思う。仕事や趣味やなんでも…ご飯の終わり方でも。終わるタイミングが上手な人は何か素敵だなと思うことが多いのです。僕もこの4回の連載をカッコよく終わりたい。カッコいい事を書きたいと思うのですが、そう簡単にできませんでした。

おわり。

プロフィール

吉田昌平

よしだ・しょうへい|1985年生まれ。広島県出身。 桑沢デザイン研究所卒業後、デザイン事務所 株式会社ナカムラグラフを経て、2016年 白い立体として独立。雑誌・書籍のデザインや展覧会ビジュアルのアートディレクションなどを中心に活動。 その他に、紙や本を主な素材としたコラージュ作品を数多く制作発表する。作品集に 『 KASABUTA 』(WALL 2013年)、『 Shinjuku(Collage) 』(numabooks 2017年)、『 Trans-Siberian Railway 』(白い立体 2021年)

Instagram: @heiyoshida