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きみも建設業界で働いてみない?/施工管理・木村世欧さん

2025年10月17日

ビルを建てたり、自然を守ったり、
学校の壁を修復したり、
身近にある建設業界の仕事を覗きにいこう。

建築現場の安全を見守る。(施工管理・木村世欧さん)

資材発注から工程作りまで、
工事の始まりから終わりを見届ける。

 新宿区にある、築40年ほどの6階建ての古いマンション。養生された廊下やエレベーターを抜けた先で、職人たちが黙々と作業を行っている。空室だった一室は休憩場所と事務作業を行うスペースを兼ねている。

「今回の工事は約3か月のスケジュールで、外壁をはじめ共用部分の下地処理、塗装、防水を行っています。地球に優しく、建物をより永く持たせるための大規模修繕工事です。ほぼ終了に近づいているところです」

 そう話すのは施工管理として働く木村世欧さん。令和5年に入社し、この工事が一人で受け持つ初めての現場だという。なぜ建築業界で働こうと思ったのだろう。

「世田谷区の小学校に通っていたとき、ビオトープを作る授業があったんです。穴を掘って小さな池を作ったり、草を植え替えたり、みんなでワイワイやるのが楽しくて。イチからひとつのものを作る職業っていいなと思って、最初はそれって〝大工〟なのかなと考えたんですけど、広くいえば建設業なのかなと。それで工業高校の建築科に進学しました」

ここ新宿の現場は一人で受け持った初めての現場だという。

 授業内容は木材の加工などの現場作業から、CAD(Computer Aided Designの略)ソフトを使った製図に至るまでバラエティ豊か。希望すれば授業外で国家資格の技能検定を受けることもできた。幅広い知識を学べるということは、将来進むべき道も多岐にわたる。それだけの選択肢があると、どの職に就こうか悩んでしまいそうだ。

「そうなんです。現場で働くこともできるし、建築設計の会社に入ることもできる。僕は最初は大工だと思ってたんですけど、大工の検定本番でケガをしちゃって、あんまり手先が器用じゃないし向いてないんだろうなと思ってたんです。でもたまたま授業で建築施工管理技士の学科試験を受けることになって、それが今の施工管理の仕事に繋がりました」

作業を行う箇所には予めテープを貼っておく。

 ソエジマを知ったのは、親交のある先輩が勤めており、その紹介だった。歴史もあり、プライベートの時間も確保できそう。さらにゆかりのある立地ということもあり、経堂に事務所を置くソエジマに就職を決めた。

「最初はついていくのに必死でした。塗装や防水などの作業は高校ではあまり学ばなかったので、現場の職人さんを見て学んだ部分が大きいです。上司も寡黙な方だったので、手取り足取り教えてもらうというよりはとにかく見て学びました」

作業内容を記録しておくためにカメラは欠かせない。

写真撮影の際に使うボード。確認しやすく工事名など必要事項を記しておき、これを含めて写真を撮影する。

 あまり聞き慣れない「施工管理」。具体的な仕事内容はどんなものなんだろう。

「まず発注を頂いたら、現地に行って写真を撮り、どういう工事が必要かを考えます。そして様々な業者さんに『これをやってほしいんですが』と相談をしていく。現場には、工事を行う動線となる足場を作る鳶職の方、塗装に特化した業者さん、防水加工に特化した業者さんなど、様々な方が集まっているんです。それぞれ別会社なので、個々に連絡をして取りまとめます。さらに必要な資材を発注するのも私の仕事です。こうして契約に合わせた全体のスケジュールが出来上がっていきます」

 マンションの工事であれば住人の方に向けたお知らせを作って掲示し、作業する人たちのための休憩場所も設置する。働く人たちが仕事をしやすい環境を作りながら、対外的な配慮も欠かさない。工事の始まりから終わりまで、すべてを把握する、縁の下の力持ちが施工管理という存在なんだ。木村さんにとって、この新宿の現場は初めてメインで担当する現場らしい。だからこんな出来事も。

「間違えて外部用ではなく水性の塗料を頼んでしまい、雨に濡れる場所には塗れないとわかったんです。材料を混ぜて作ったので返品はできないし、コストがかかっている以上無駄にはできない。なので職人さんにお願いして、雨に濡れる場所にだけ追加発注した外部用塗料、そうでない場所は水性塗料と分けて塗ってもらいました。かなり手間をおかけしてしまって……。あれは大きな失敗でした」

事務作業を行ったり休憩を取るスペース。オーナーさんが気を利かせてちゃぶ台などを貸してくれたそう。

 職人さんはほとんど年上。現場を取り仕切る立場でありながら、年齢が若いとやり取りが難しそうだけれど……。

「そうですね、言いづらいことも言わないといけなかったりはするんですけど、私の場合は周りの職人さんが本当に優しくて助かっています。休憩中にも会話はしますし、ラーメンの話とかができると嬉しいですね。でも基本的にはあの現場は、この現場は、と仕事の話をすることが多いかもしれないです」

よく見かける「ペンキ塗りたて」のシールを貼るのも木村さんの仕事。

 朝は大体8時半から作業がスタートする。木村さんも現場に顔を出し、パソコン作業があるときは経堂の事務所まで戻って作業をする。まだ駆け出しということもあって、現在受け持っているのは新宿のこの現場のみ。ただ、秋口に工事に取り掛かる次の現場はもう決まっているという。木村さんがやりがいを感じるのはどんなとき?

「元々の建物の状態を知っているので、それがどんどん綺麗になっていく姿を見られるのは嬉しいですね。あとやっぱり、職人さんとコミュニケーションを取りながら、一つひとつの作業を詰めていくのが楽しいです。みんなでワイワイと仕事をするのが理想ですね」

プロフィール

きみも建設業界で働いてみない?/施工管理・木村世欧さん

木村世欧

きむら・せお|2005年、東京都生まれ。都内の工業高校の建築科で学び、卒業後にソエジマに就職。施工管理として建築現場で働く。2級建築施工管理技士の二次試験合格に向けて勉強中。好きなアーティストはMr.Children。

インフォメーション

ソエジマ

小田急線の経堂に事務所を持つ建築会社。塗装を中心に修繕業務を請け負う。集合住宅の大規模修繕をはじめ、早稲田大学の大隈講堂や皇居賢所などの由緒ある建物の塗装にも対応する。