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ヌー・アバスと話す、ゴールドウイン 0のこと。
Goldwin 0
2025年10月10日
coordination & photo: Akira Yamada
text: POPEYE
2025年11月 943号初出
ダウンタウンとイーストサイドをわかつウィラメット川。ここはオレゴン州ポートランド。2023年から〈Goldwin 0〉に加わったヌー・アバスはこの地に根を張り、アウトドアアクティビティとデザインに没頭していた。
「生まれ育ったイギリスの小さな町は山のない平地で、自然のアクティビティに熱中するような環境ではありませんでした。大人になり、パリのファッション業界で働き始めても、都会にどっぷり浸かっていて、自然を体験する機会を逃していたと気が付きました。それから、アルプスやポルトガルの山々でバックパッキングを楽しむようになりましたね。ポートランドに引っ越してきてからは、自然がとても身近な街なので近くのマウント・フッドを一周するティンバーライン・トレイルや、クロスカントリースキーを楽しんでいます」
そういった環境の変化が、ヌーのデザインの考え方も変えたのだそう。
「パリで求められていたのは『どうすれば美しく見えるか』で、今は、自然の中を快適に過ごすための機能的なデザインで『フィジカル・ベネフィット(身体的な恩恵)を得られるか』。そのアプローチが〈Goldwin 0〉にも生かされています」
ここで、ゴールドウイン社についておさらい。1950年に創業したスポーツアパレルメーカーで、自社ブランド〈Goldwin〉の他、〈THE NORTH FACE〉を日本で展開している。創業地である富山に研究開発施設「GOLDWIN TECH LAB」を構え、先進的なものづくりを得意としている。
「彼らはラボでのテストや製造工程の一つ一つを研究していて、ディテールへのこだわりが素晴らしい。生地、裁断、縫製、そしてブランドイメージに至るまですべてが〝ハイスタンダード〟。自分がデザインに携わるなら、ゴールドウイン社が普段は取り組まないようなチャレンジをしたい。トレーニングと一緒で、ブランドとして挑戦するためには〝負荷〟をかけることが必要なんです。今シーズンのデザインをしていたのは、ゴールドウインが本社を移転させている時期でした。その未完成で工業的な雰囲気にインスピレーションを受けました。アウトドアブランドならやらないような、ラフな素材を選んだり、全体の調和を取りながらミスマッチな色を合わせたり、隠れた機能やプロセスのデザインを表に出したりしています」
〈Goldwin 0〉は必ずしもアウトドアブランドとは考えていない、とヌーは続ける。
「山と同様に街でも着られるプロダクトを目指しているんです。ハイファッション業界で働いたバックグラウンドを生かして、服のカッティングやシルエット、配色に非常に注意を払っています。典型的なアウトドアウェアのような明るい色やスリムフィットでは都市生活に合わない。ポートランド、東京、パリといった街の普段のワードローブに馴染んで、他の服とも違和感なく合わせられないといけないんです」
アウトドアの過酷な環境をサバイブするための先端技術を日常着で感じることは過剰といつも思いつつ、それがファッションの面白みでもある。〈Goldwin 0〉は、その気持ちにがっちりとフィットしてくる。
何を隠そうヌーはミリタリーウェアのコレクターである。これはスタジオの一角にずらっと並んだアーカイブ。「まず機能的なミリタリーウェアはメンズファッションに常に影響を与えてきたと考えています。私のすべてのデザインも、全体的なフィーリング、シルエットなど何らかのつながりがあります。例えば自然に溶け込むカモフラージュ、寒い季節のレイヤリングシステムなど、ミリタリーとアウトドアには多くの共通点がありますから」
ポートランドに拠点を移したのはコロナ以前、〈NIKE ACG〉のデザイナーになったのがきっかけ。川沿いのこの場所にスタジオを構えたのはパンデミック直後のこと。「すぐに山にも海にもアクセスできる環境で暮らしたことがなかったんです。海をただ眺めるという経験も人生で初めて。スポーツブランドのヘッドクォーターが集まっている場所なので、この分野に長けたデザイナーも多い。機能的なウェアデザインを考える土壌がある、とも言えます」
〈Goldwin〉のアーカイブから着想を得た、ウール混のフリースジャケット。ヌーの哲学は細部に宿っていた。「ザラザラとした質感の生地こそが、完璧に仕上げられて“いない”デザインを体現しています。裏地から生地の構造が見えるようになっているんです。ボディと、イチから開発したメッシュリブのカラーパレットも絶妙に変えています」¥49,500(以下すべてゴールドウイン ゼロ/ゴールドウイン カスタマーサービスセンター☎0120·307·560)
「デザインのコンセプトとして“ウルトラライト”であることは常に念頭に置きます。バックパッキングにおいてベースウェイトを1グラムでも減らすためにどうすればいいか考えています」。ウールとポリエステルの糸を、ホールガーメントで編み立てたベースレイヤーは、縫い目がないのでその分軽い。日本製で、ゴールドウイン社の技術が詰まった一着。見た目もシンプルに無駄のないデザインは、まさに彼の思想を象徴している。¥33,000
彼が初めて〈Goldwin 0〉でデザインしたのが、このダウン。スキーウェアなどで熱を逃さないために使われる、ゴールドウイン社が開発した「3D Box Baffle」構造(折り紙のようなプリーツでダウンを充填させる)に注目し、本来は内側に隠れて見えないものをデザインとして転用した。こうした内に秘めた機能的な側面を見せるのは、彼の得意技。レイヤードに適したデザインで、ヌーもお気に入り。¥69,300
最先端の機能的な素材も欠かせない。7デニールと、ライトウェイトの「Gore-Tex WINDSTOPPER」に「Primaloft」中綿を閉じ込めたこのジャケットはあまりに薄い生地で、光を当てると内側のメンブレンが透けて見えるほど。「右ページで着ているジャケットと同じもので、フードの美しいバインディングステッチや、体温を輻射するスパッタリング加工が施された裏地など、機能的な面をそのままデザインとして取り入れました」¥99,000
Perforated Wholegarment Knit Top ¥33,000
全体を細かな孔が開いている編み地で編み立てた、バラクラバ型フードのニットトップ。
Three-Dimensional Down Light Vest ¥69,300
Goldwin が開発した「3D Box Baffle」を全体に取り入れたダウンベスト。
WINDSTOPPER Padded Composite Parka ¥154,000
最先端の機能素材をオーバーサイズの特徴的なシルエットで仕立てた軽量中綿アウター。
WINDSTOPPER Thermo Padded Jacket ¥99,000
最先端の機能素材をオーバーサイズの特徴的なコクーン型のシルエットで仕立てた軽量中綿アウター。
Wool Fleece Hoodie ¥49,500
あたたかみがあり、柔らかなウールフリースを使用したリラックスフィットのフーディ。
プロフィール
NUR ABBAS 〈Goldwin 0〉Creative Director
ヌー・アバス|1980年、イギリス生まれ。〈Louis Vuitton〉や〈NIKE ACG〉のデザイナーを経て2024年に〈gnuhr〉をローンチ。2023年より〈Goldwin 0〉に参画。
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