TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】シルクのボクサーショーツ

執筆:Hitomi Coco Konno

2025年9月9日

昔から、メンズのボクサーショーツが好きでした。
10年前、ある日ふと出会ったBrooks Brothersのトランクスに魅了され、自分では履けないので恋人へのギフトとして選ぶように。それ以来、海外での買付では女性用の下着だけでなく、必ずメンズも探すようになり、サイズ感や素材、縫製の丁寧さまで詳しくなっていた。
そんなある日、買付の途中に気づいたんです。なぜ、かっこいいシルクのボクサーがないのだろう?と。

シルクといえば、女性向けの艶やかなランジェリーやラグジュアリーなパジャマを思い浮かべる人が多い。けれど、男性が日常的に履ける、気負わないデザインのシルクショーツは、驚くほど見当たらなかった。

そこで思い出したのは、ヴィンテージの軍もののパンツや使い込まれたレザーやコットンの無骨さ。それにシルクのなめらかさを掛け合わせれば、これまでにない一枚になるのではないか、と。

見た目はコットンのように自然で、触れれば驚くほど滑らか。肌にのせた瞬間、とろけるような心地よさが広がる肌触り。さらに、そのシルクの心地よさを最大限に引き出すため、太ももに縫い目がない仕様にもこだわりました。まだまだ暑い夏、蒸れにくいシルクは、車をよく運転する人にもぴったり。(長時間座っていても快適さが続くみたい)

デザインは下着としての快適さはもちろん、洋服としても成立するように整えた。女性ならTシャツと合わせてもいいし、HAZEの同色シルクキャミソールとセットアップで着ても素敵。キャミソールはペチコートとしても使える万能さがある。

通常、ボクサーショーツのボタンは縦についていることが多く、横の場合でもわずか2cm程度。HAZEではボタンを一つ横にずらし、ワンサイズアップしたようなゆとりを作った。これは食いしん坊の私ならではの発想かもしれない。さらに、カラーごとにボタンの色を変える遊び心も添えてみました。

履いた瞬間、肌にいいことをしていると感じられる。そんな小さな贅沢が、日常を少しだけ輝かせてくれたら、と思っています。

プロフィール

Hitomi Coco Konno

ひとみ・ここ・こんの|タイムレスなカシミヤとシルクのアンダーウェアブランド〈HAZE UNDERWEAR〉を2023年にスタート。老舗ランジェリーショップ〈Gabrielle Peco〉のバイヤーとしても活躍し、世界中のランジェリー文化に触れる。20代をニューヨークやパリで過ごし、そこで培った感覚や経験をもとに、100年後も着られるタイムレスなアンダーウェアを作る。

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