TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#4】観光写真の話

執筆:小川尚寛

2025年2月1日

2022年5月 ワシントン州 アバディーン

2024年12月 ワシントン州 ポートタウンゼント

小学生の時、金曜ロードショーでE.Tやバック・トゥ・ザ・フューチャー 、ホーム・アローンなどの映画を見てはアメリカの街並みに憧れをもっていたことを覚えてます。
広大な土地に大きな家が建ち、広い庭や大きなソファーの上でピザを食べているシーンはワクワクしながら見ていました。
大人になってからも、その記憶は鮮明に覚えており、アメリカの郊外に憧れがありました。
映画で見たあの世界を見てみたい。そんな分かりやすい気持ちから、学生時代からアメリカに何度か観光に訪れました。
僕が行く場所は、有名な都市ばかりで、バグダッド・カフェみたいな一本道に荒野が広がる場所などはほとんど行ったことがなく、地球の歩き方を持ちながら、観光地巡りをしていた程度です。

英語が全く喋れない私は、夜に出歩くのも怖く、日中しか行動をしませんでした。
それは今も同じです。アメリカに何度か写真を撮りに行っておりますが、未だに英語は喋れません。

私は映画だけではなく、アメリカの写真家にも影響を受けております。
特にスティーブン・ショアやウィリアム・エグルストンなど私が憧れているアメリカの写真家であり、何度見ても発見がある素敵な写真です。
彼らの写真に影響を受けて、アメリカを撮り始めたのですが、、、
私は日本人であり、住んでもいない場所で全く知らない文化、言葉さえ理解できない状況で撮影したところで、豊かな写真は撮れるわけがありません。
だから私は観光写真にフリました。英語が喋れない、良くわからないアジアの外人として。

見ていただいたのは、夏と冬の2度にわたって、アメリカ ワシントン州にあるアバディーンとポートタウンゼントを中心に人々の暮らしを淡々と撮った、観光写真です。
アメリカで過ごした少しの時間。日本人である私が見つけた写真です。

プロフィール

小川尚寛

おがわ・なおひろ|O型 牡牛座。青山スタジオ勤務。その後上田義彦に師事し、2019年写真家として独立。福生にある米軍ハウスに住みながら人々の生活を中心としたポートレイトを撮影、作品を制作。 2023年写真集「Patrick」を出版。アメリカのサバービアの観光を収めた写真。

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