カルチャー
年度末を意義深く締めくくるための3作。
3月はこんな映画を観ようかな。
2024年3月1日
text: Keisuke Kagiwada
『DOGMAN ドッグマン』
リュック・ベッソン(監)
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ある夜、1台のトラックが警察に止められる。足の不自由なドラァグクイーンが運転するその荷台には、なんと大量の犬が乗っていた。かくして警察に保護された彼は、暴力的な父兄に犬小屋で育てられた幼少期をはじめ、驚愕の半生を語り出す。犬だけをほぼ唯一の仲間として生き、今や完璧にコミュニケーションが取れる彼は、犬の協力を仰いでいろいろしてきたらしい。中でも衝撃だったのが、豪邸に忍び込ませ、金品を盗ませるという、ロビンフット的なプロジェクト。映画では見慣れた泥棒シーンも、犬になっただけでこんなに新鮮だとは。「『レオン』のリュック・ベッソン監督、完全復活!」という宣伝文句に偽りなし。3月8日より公開。
『美と殺戮のすべて』
ローラ・ポイトラス(監)
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ナン・ゴールディンといえば、アメリカのLGBTQカルチャーの一員として、そこに親密な眼差しを注ぎ続けた伝説の写真家だ。しかしその彼女が、かつてオピオイド系処方鎮痛剤のひとつ「オキシコンチン」の依存症と闘った経験があり、さらにはP.A.I.N.(Prescription Addiction Intervention Now)という支援団体の創設メンバーとして、「オキシコンチン」を販売する製薬会社パーデュー・ファーマとそのオーナーであるサックラー家、そしてー家から多額の寄付を受けた芸術界の責任を追及する活動を展開していたとは知らなかった。本作は彼女のこれまでの芸術活動とともに、その戦いの顛末を記録したドキュメンタリー。鑑賞後は、ぜひNetflixで配信中の映画『ペイン・ハスラーズ』を。オピオイドをめぐるアメリカの闇がよりはっきりするはず。3月29日より公開。
『スペースマン』
ヨハン・レンク(監)
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原作はヤロスラフ・カルファシュによるSF小説『Spaceman of Bohemia』、主人公はとある任務のため、地球に妻を残して宇宙の果てへと旅立った宇宙飛行士のヤコブだ。彼は任務の過程で、謎の生物ハヌシュと接触するが……。ヤコブを演じるのは、アダム・サンドラーなのだが、彼に宇宙飛行士を演じさせるというアイデアがまず秀逸。しかし、それ以上にハヌシュの声をポール・ダノがやっているってのが見逃せない。アマプラで配信開始されたリメイク版『Mr. & Mrs.スミス』のチョイ役(だけど、超重要キャラ)に続き、ダノの作品選びには強いセンスを感じるなぁ。3月1日よりNetflixで独占配信。
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