カルチャー
【#1】スポーツ写真家脳内日誌
2021年5月10日
photo & text: Kenjiro Matsuo
スポーツ報道写真を撮り始めて7年。
リオパラリンピックや平昌オリンピック、世界選手権の現場に立ち、アスリートの輝く瞬間、敗北に打ちひしがれる姿を撮影してきた。
現場でゲーム展開を感じ取り、カメラを体の一部として操る僕の頭の中を紹介したい。
ゲームの内容や結果に見合った写真が残るよう、1秒間に10枚以上撮れるカメラを操る。アスリートが動き回るピッチのすぐ横から超望遠レンズを構え写真を撮る。撮ってはパソコンに読み込み、画像処理してキャプションつけてネットに上げる。全ての過程で被写体とのコミュニケーションは皆無。関わってはいけない。アスリートのパフォーマンスをただ撮るだけ。これが僕の仕事だ。
カメラもレンズも性能はどんどん進化してて、ピントは100パー、オートフォーカスに任せる。技術職なんだろうけど、ここまで機材のレベルが凄いと”撮る腕”ってなんなんだろうとよく思う。
顔認証のレベルが上がってるからリモートカメラでもオートフォーカスで追ってくれる。人なんかいなくても写真は撮れるものになりつつある。
陸上競技場の天井、プールの水中に仕掛けたカメラを遠隔操作する人もいる。ジョイスティックを巧みに操りシャッターを切る。即座にトリミングをしてキャプション打ってアップロード。オリンピックなどの国際大会ではよく見る光景になった。
現場であれ、遠隔操作であれ、人間に変わってAI積んだロボットに仕事が奪われる日がそのうち来るんだろうな。
人間がコンピューターと駆け引きしてる感はすでにある。僕が意図して操作しないといけないのに、逆にコンピューターのために動いてる。さっき言ったオートフォーカスだって、カメラがどう動くかを観察したり予測、経験に基づいて操作してる。極限まで意のままに動いてくれるカメラなんてものはまだない。
現代はカメラというマシーンに人間が合わせる図式なんだ。
プロフィール
松尾憲二郎
ピックアップ
PROMOTION
100周年を迎えた〈カルティエ〉の「トリニティ」リング。
Cartier
2024年4月9日
PROMOTION
〈ティンバーランド〉スリーアイの魅力を長谷川昭雄さんに尋ねた。
Timberland
2024年4月24日
PROMOTION
〈KEEN〉の代名詞「UNEEK」が10周年。進化を続けるニュースタンダードを履きこなす。
Created by GINZA
2024年4月12日
PROMOTION
〈マーガレット・ハウエル〉と東京の雨。
2024年4月9日
PROMOTION
〈エーグル〉のコーレイとベーグルの恋。
AIGLE
2024年4月26日
PROMOTION
北欧生まれのシューズブランド、〈KARHU〉って知ってる?
2024年4月30日
PROMOTION
サマーニットに、〈New Balance〉のランニングショーツを。
New Balance
2024年4月26日
PROMOTION
春の早朝は〈イル ビゾンテ〉のキャニオンレザーとともに。
IL BISONTE
2024年4月11日
PROMOTION
〈adidas Originals〉とシティガールの肖像。
#2 Erika Murphy(24)_Musician
2024年4月11日