トリップ

夕日を見るなら猿岩越し。

2023年9月28日

photo: Hiroshi Nakamura
text: Fuya Uto

猿岩

 人生で1,000回くらい夕日に感動してきたが、そのなかでも“ベスト3”に新加入したスポットが「猿岩」だった。ゆっくりと波や雨風に“彫刻”された玄武石がその名の通り男前な猿にそっくり。45mと巨大で荒々しい岩肌、背に広がる濃紺の海も相まって“日本の奇岩百景”にも選ばれている勝景地だ。そして、東京を中心とした方位でみれば、黒崎半島の鼻にあり、日本の最西端スポットでもある。

『枕草子』の“秋は夕暮れ”の一説の印象があり、冷え込み始める秋がベストシーズンだと思っていたが、暖かな春からグッと冷え込む梅雨前も狙い目。湿度が高い日だと、より真っ赤に染まりやすいそうだ。

 岩越しの夕日を楽しんだら、遊歩道を登って猿岩のすぐ側まで近づこう。柵がついていない断崖絶壁だから尻込みしてしまうけど、太陽と水平線だけがどーんと広がる景色は誰だってセンチメンタルになれる。日没後、およそ40分間だけ劇的に空の色が移りゆく“マジックアワー”と猿岩の相性も抜群。こんな光景を毎日観られる島の人が羨ましい。

インフォメーション

猿岩

郷ノ浦港から車で20分。神さまが動き回る島をつなぎ留めるために作ったとされる「八本柱」の一つと言われている。駐車場内にあるお土産店『お猿のかご屋』では地元民が作った猿がモチーフの雑貨やお菓子が販売されている。

◯長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触870
Official Website
https://www.ikikankou.com/spot/10093