カルチャー
「私と渋谷」物語。
クラブシーンを見つめてきた☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)さんとNaz Chrisさんが書き下ろし。
2022年12月20日
edit: Mako Matsuoka
『渋谷区のちから。』記念誌から抜粋

新しいカルチャーが生まれる場所・渋谷で
リズムに魅せられた2人が辿ってきた道を紡いでいただきました。
「日本で一番刺激的な街は?」へのアンサー。
’90年代。僕が学生の頃、好きな音楽と新たに出会うのはいつも渋谷のレコード屋さんでした。CISCO、マンハッタン、HMV、HOT WAX、Tower Recordを梯子して、国内外のアンダーグラウンドのレコードを買ったこと。それが今の自分の礎になっています。音楽はもちろん、ファッションやアートといった、世界の最先端のカルチャーが渋谷には集まっています。情報、知恵、そして体験が渾然一体となったこの街は、通りを歩き、暮らす人に、常に強烈な刺激を与えてくれます。まるで、多様な価値観がグツグツと煮込まれたシチューの一部になっていくかのよう。
時は流れ、街並みは大きく変化しましたが、その濃密な魅力は今も変わりません。僕が通い続けるバー「花魁」にはさまざまなアーティスト、クリエイターが集い、インターネットでは見つけられない情報や体験をシェアしあって文化の濃度を保ち続けています。「多くの人に素敵な音楽との新しい出会いを届けたい」、そういう思いで僕が始めたインターネットラジオ「block.fm」が渋谷を拠点にしているのも、そんな街の魅力に惹かれているから。海外の友達に「日本でいちばん刺激的な街はどこだ?」と聞かれたら、いつだって「渋谷だよ」と答えます。
これからもそう言い続けられるよう、一人のアーティストとして渋谷から世界へ刺激を発信し続けていきます。
プロフィール

☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)
1974年生まれ。DJ、音楽プロデューサー。2011年から、渋谷拠点にインターネットラジオ「block.fm」を運営。
10代の夏から現在まで、私の半分は「渋谷」と「カルチャー」への感謝でできている。
代々木公園交番前の交差点を直進してしばらく行くと、DJがかき鳴らす音楽とビート、ラッパーのフリースタイル、ダンサーたちの雑踏が聞こえてきた。たまらず友達と駆け込んだ代々木公園のイベント広場で、1983年公開の映画「WILD STYLE」に出演していたROCK STEADY CREWとTOKYO B-BOYS との出会いに感化され、本格的にダンスを始めた。
当時、中学生の私にとって、渋谷は「人」の宝庫で「文化」の溜まり場だった。仕事も遊びも渋谷がつくってくれ、生活のすべてがそこにあった。数年後には、渋谷にある友達の家に転がり込んですっかり“毎日が渋谷”の生活を送り始めた。週4日、ダンススクールに通い、毎日「渋谷109」に立ち寄り、宇田川町でレコードを物色してから夜は円山町のHARLEM、clubasia、VUENOSへ。毎週末、東京のキーパーソンたちが集い、平日・週末問わず、若者同士の出会いときっかけと、世代を超えたつながりに満ちあふれていた。特に人生の方向性を変えたのは、HARLEMの中2階でのMC RYUとの出会い。彼とクラブで出会って話したことがきっかけで、ラジオや音楽シーンに携わるようになり、まもなく20年近くが経つ。
大人になった私は、2016年の風営法改正という機も重なり、自分の表現と創作活動のために“攻め”に徹してきた人生の歩みを、“守る”というフェーズへと変化させた。「渋谷のハロウィン」の清掃活動をはじめ、クラブ文化の素晴らしさを伝える「クラブとクラブカルチャーを守る会」では、前・副会長のWatusiから引き継ぎ、副会長職を拝命。また「TOKYO 2020」という時代の節目には、アーティストやDJ同士で、「一般社団法人JDDA」を渋谷に設立。コロナ禍で困窮したカルチャーや街を再生させたいという思いをかたちにした。「#SaveTheDance」という署名活動は、多くの賛同者やアーティストによって渋谷と共にあったカルチャーの一部支援に貢献することができたのではないかとも思っている。
大切なものにまみれ、夢を開花させ育て、それらを守るということを10代から学ばせてくれたのが、渋谷。今も自分のクリエイティビティやモチベーションを再確認する時に必ず向き合うのは、あの時、渋谷にいた自分。
私のカルチャーと音楽と共に歩む探求の旅は、渋谷への感謝と共にこれからも続いていく。
プロフィール

Naz Chris
DJ、ラジオディレクター。公益社団法人 日本芸能実演家団 体協議会にも加盟するアーティスト団体、一般社団法人 JDDA 理事。
渋谷区制90周年記念サイト『渋谷区のちから。』をウェブサイトにて公開中!
“ちがいをちからに変える街”。渋谷区は1932年10月1日に誕生し、2022年に90周年を迎えました。「シブヤ」は今もなお、多種多様なトレンド、カルチャーの巨大なインキュベーション装置です。そんな渋谷区の「ちがい」とは? 渋谷区の「ちから」とは? 渋谷区は住む人、働く人、訪れる人、あらゆる人々にウェルカムな街を徹底解剖。過去も現在も未来も、いつだって可能性に満ちている。渋谷区制90年の物語を紹介しています。
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