カルチャー
10月はこんな映画を観ようかな。
芸術の秋に向き合いたい4作。
2022年10月1日
text: Keisuke Kagiwada
『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)
ヒップホップとスケートボードの融合』
ジェレミー・エルキン(監)
ストリートカルチャーの二本柱であるヒップホップとスケボーは、かつて相容れないものだった。前者は黒人文化、後者は白人文化と見なされていたからだ。両者が融合を果たしたのは、1990年代のNY。本作はその歴史に肉薄したドキュメンタリーである。立役者のひとつである運営していたクラブを、日本人が運営していたなんて知らなかった! それ以外にも映画『KIDS/キッズ』の功罪や、〈シュプリーム〉の誕生秘話なんかも描かれているので、シティボーイは全員必見。10月21日より公開。
『アフターヤン』
コゴナダ(監)
舞台は近未来のアメリカ。とある家族とかけがえのない絆で結ばれていた人型ロボットのヤンが、突然故障して動かなくなってしまう。一家の父であり、茶葉の販売店を営むジェイクは、その修理のために奔走する中で、ヤンの“過去”を知ることになる。端っこの話になってしまうが、ジェイクがレストランでカタカナが書かれたロング缶ビール(おそらく映画のオリジナルプロダクト)を飲んでいたのが気になった。『NOPE/ノープ』でも日本製の缶ビールが登場していたけど、もしかしてアメリカで流行っているのか? 10月21日より公開。
『七人樂隊』
ジョニー・トー、リンゴ・ラム他(監)
香港映画界を代表するプロデューサーにして監督のジョニー·トーの呼びかけにより、サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハークという巨匠7人が集結したオムニバス映画だ。エピソードごとに描かれるのは、1950年代から未来まで。エモい話が多い中、「ぼろ儲け」で株価の上下動に一喜一憂する若者たちを通して時代の変化を描いたジョニー・トーには、「そこに目をつける!?」と戸惑いながらも、さすがのひと言。10月7日より公開。
『スペンサー ダイアナの決意』
パブロ・ラライン(監)
最近、元気で明るいファッションアイコン的な遇され方をしている故·ダイアナ元皇太子妃だが、彼女のそれとは別の側面にフォーカスしたのが本作だ。舞台は1991年のクリスマス。もはやチャールズ皇太子との関係は完全に冷え切っているというのに、エリザベス女王の私邸にお呼ばれてしまったダイアナの苦悩の3日間を描く。クリステン・スチュワートがダイアナを演じているのだが、最近の彼女の出演作には外れがないなぁ。10月14日より公開。
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