ライフスタイル

「北東北の」実用逸品!Vol.8

岡部文彦/山のスタイリスト

2022年9月26日

photo: Akiko Sato
text: Fumihiko Okabe
edit: Masaru Tatsuki

岡部文彦 きこり見習い 現在岩手県岩泉町在住 1976年、岩手県小岩井生まれ

まさか自分がバックホー(ショベルカー)を操縦できるようになれるなんて、思いもしなかったし、実際に操縦して土地を開拓するなんて思いもしていなかった。
結論。めちゃくちゃ楽しい。暮らしの可能性が広がる。

今は地主様にお借りしている荒れた土地なれど、いつかは自分の山でも所有して、未開拓の地に“丘べ〜ランド”なんぞ作ってみたいものだ! なんて夢が広がったのもバックホーのおかげ。 

地域おこし協力隊として、林業を学びにこの山深い町、岩泉町に住み始めたことで、バックホーの操縦資格を取得した。練習のためにと活動費を利用して、レンタルして家の前の荒地を今、開墾し開拓している。これがまた楽しすぎる。

操縦は至って簡単だ。左右に操縦レバーがあり、中央に前後移動レバーがついていて、コンピューターゲームのジョイスティックみたいな動かし方で、あり得ないパワーを所有できちゃうわけだ。思いっきり地面を掘れば、とんでもない穴が作れるし、でかい岩もいともも簡単に持ち上げることができる。ガンダムみたいなモビルスーツを動かしている気分にすらなれちゃうわけで。多分ゲームが好きな人ならすぐ上達しプロレベルになれるんじゃないだろうか? 

目の前の荒地を掘り起こしてみると、次から次へと大きな石が沢山出てきたので、地主様の許可をいただき、道路沿いの土手を石垣にしてみることにした。バックホーで掘り起こした大きな石を手で動かそうとするとこれがまた笑っちゃうくらいピクリとも動かない。

バックホーに乗っていると感覚が麻痺する。レバーをちょっと動かしただけで、簡単に重たい岩も掬えちゃうのだ。油圧ショベルのパワーがどんだけなのかを思い知らされる。大きな木の根も抜根できるし、ワイヤーを使えば、重たい荷物も吊るして持てちゃうし、とにかくバックホーを操縦できると、あり得なかったパワーで色々とできちゃうんだ! ってこと。

おかげで、集落の人たちの大切な沢水道管をぶっ壊しちゃったりもしたけれども。(まさか埋まっているとは思わなかった)山暮らしするなら、所有したい大きな道具の一つである。

プロフィール

岡部文彦

おかべ・ふみひこ|山のスタイリスト。ファッションスタイリスト時代からの庭師見習いを経て、現在の興味は山へ。webショップ「ホームセンターバリカンズ」の店主、農園芸作業着「ハーベスタ!ハビコル」開発の為に林業現場を体感中。

Official Website
https://www.vallicans.com
http://www.harvesta.net