CULTURE

6月はこんな本を読もうかな。

散歩する気になれない雨の日に読みたい5冊。

2022.06.01(Wed)

text: Keisuke Kagiwada

『哲学原理主義』
小泉義之(著)

日本一過激と言っても過言ではない哲学者による論考集。テーマは倫理、政治、経済と多岐にわたるのだけど、とりわけ読み応えがあって何度もため息が出ちゃったのが、文学関連のもの。『文學界』に2001年〜03年まで掲載された伝説的な連載「文学の門」が初めて書籍に収録されたのには拍手しちゃったし、大江健三郎論も刺激的だったなぁ。¥4,840/青土社

『ストレンジ・スターズ
デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』
ジェイソン・ヘラー(著) 伊泉龍一(訳)

1970年代のポップ・ミュージックが、いかにSFに影響を受けて進化してきたのか。ヒューゴー賞受賞作家であり音楽ジャーナリストでもある著者がそれを跡づけた、めっちゃスリリングな一冊。『2001年宇宙の旅』を目撃したことでキャラ変を決意したデヴィッド・ボウイをはじめ、ロックスターたちはみんなSFに夢中だったのね! ¥3,850/駒草出版

『サム・ライミのすべて
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』への軌跡』
ele-king編集部(編)

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で、久々にマーベル回帰したサム・ライミの全貌に迫った1冊(『スパイダーマン』でマーベル映画を機動に乗せたのが彼だったことを忘れちゃいけない!)。彼が青年期の仲間とともに映画界に殴り込むまでの軌跡を辿ったコラムは、マジに青春映画みたいな内容で涙がこぼれた。¥1,980/Pヴァイン

『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』
クリステン・R・ゴドシー(著) 高橋璃子(訳)

とんでもないタイトルではあるが、トンデモ本ではないので安心されたし。すべてのモノが商品化してしまう資本主義という体制が、いかに女性を苦しめ(ときには男性も。つまり人類を!)、セックスだけに限らぬあれこれを楽しくなくさせているのかについて、真面目に考察しているのだから。「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい」とか言ってる場合じゃないなぁ。¥2,090/河出書房新社

『さらば、ベイルート ジョスリーンは何と闘ったのか』
四方田犬彦(著)

ジョスリーン・サアブという名前を聞いて、ピンときた人はかなりの映画通だろう。歴史に翻弄された女性たちを見つめ続け、2019年に逝去した、レバノンを代表するドキュメンタリー映画監督だ。こちらは、そんなジョスリーンと生前に親交があった著者によるモノグラフ。読後は、タイトルの「何と闘ったのか」という一語の“重み”に、心が震えるに違いない。河出書房新社/¥2992

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