FASHION

I LOVE THIS KIND OF VINTAGE CLOTHING #5 Wataru Suetsugu

仲條正義による〈タクティクスデザイン〉の腕時計。

2021.11.24(Wed)

photo: Kazufumi Shimoyashiki
text: Ryoko Iino
2021年12月 896号初出

いま、どんな古着に夢中になっている? 古着好きの話に耳を傾けてみよう。

Tactics Design wristwatches
by Masayoshi Nakajo
仲條正義がデザインした〈タクティクスデザイン〉の腕時計。

現在〈タクティクスデザイン〉は帝国ホテルにあったお店も閉店し、ブランドとしても資生堂から存在しなくなってしまった。時計はすべて1980年代に製造されたもの。時分針と秒針がそれぞれ分かれたクラシックなものから、変わった略字のモダンなものまでデザインは多様。末次さんはシルバーのケースでクオーツのものを所有するが、ブランドはゴールドのケースも作っていたとか。「なかにはベルトがゴムのおじさん仕様に変えられているものもあったりするんですが、顔も名前も知らない誰かの腕で時を刻んでいた時計が自分の手元にあることを実感できて、面白いと感じるんです」

思わず保護してしまう後世に残したいデザイン。

「普段購入するのは古着ばかり。ほぼ実店舗には行かずにオンラインがメインです」と潔い末次さんが、「1万円以下で売られていたら、たとえすでに持っているデザインでも買う」というのが、’80年代に作られた〈タクティクスデザイン〉の腕時計。日本初のセレクトショップとして知られる『資生堂ザ・ギンザ』が企画したメンズウェア雑貨のブランドで、デザインは『花椿』などを手掛けた故・仲條正義、製造は〈シチズン〉と玄人好みの逸品だ。

「6年ほど前、〈C.E〉が資生堂パーラーと協業した際に仲條さんがイラストを描き下ろしてくれたのをきっかけに、彼の過去の仕事を調べて蒐集し始めたのが〈タクティクスデザイン〉。洋服なども展開していたみたいですが、僕が集めているのはこの時計とグラスやトランプなどの雑貨類。時計は特にシンプルだけどグラフィカルなデザインで気に入っています」。とはいえ実際に身につけることはまったくないとか。

「普段はジップロックに入れて保管していて、もはや観賞用ですらない(笑)。物としてカッコよくて面白いから、見つけたら保護を目的に買うというか……謎の使命感があるんです」

プロフィール

末次 亘

すえつぐ・わたる|〈C.E〉プレス。1985年、宮崎県生まれ。数年前まではマッシモ・オスティがデザインした〈ストーンアイランド〉などのヴィンテージも集めていたが、ここ数年で一気に値上がりしてしまい断念。〈C.E〉の新作カセットテープが青山のお店で発売中。

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