〈シャネル〉の手仕事の気高さを体感できる『la Galerie du 19M Tokyo』へ。
〈シャネル〉と「le19M」の企画展『la Galerie du 19M Tokyo』が森アーツセンターギャラリー&東京シティビューで開催中。
2025年10月17日
text: Ryoma Uchida
〈シャネル〉を〈シャネル〉たらしめる、職人たちの尊い手仕事への尊敬の念。刺激や遊び心を忘れないクリエイティビティの追求。そんなブランドの意志を感じられる展覧会が現在、六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーと東京シティビューにて開催中の『la Galerie du 19M Tokyo』だ。
展覧会タイトルにもある「le19M」とは、パリ北部の街・オーベルヴィリエで2021年に〈シャネル〉が設立した複合施設のこと。11のメゾンダール(アトリエ)と、刺繍や金細工、靴や帽子といった様々な業種の約700人の職人たちが集結しものづくりを行う、世界でも類をみない「メティエダール」=“芸術的な手仕事”の殿堂だ。
そんな「le19M」の革新と伝統のクリエイションを紹介する本展覧会。9月29日に開催されたオープニングパーティーでは、俳優でアンバサダーの宮沢氷魚さん、小松菜奈さんの姿も。彼女とともにオーディオガイドも務めた俳優の安藤サクラさんをはじめ、二階堂ふみさん、橋本愛さん、出口夏希さん、ちゃんみなさんら豪華ゲストも来場し大いに盛り上がりをみせた。
©CHANEL
『POPEYE』公式YouTubeでは、宮沢氷魚さんが「le19M」を訪れ、職人やアーティスティック ディレクターにインタビューした動画も公開中。こちらもご覧いただきつつ、気になる『la Galerie du 19M Tokyo』の様子をちょこっとご紹介。
3章構成の本展。最初に来場者を迎えるのが『le Festival』。建築家・田根剛氏率いる「ATTA」によるインスタレーションだ。窓の外に映る東京の眺望を背景に、床、テーブル、はたまた天井から吊るされ広がるサンプルや材料や道具……。一面に広がるモノたちで、展覧会を祝福するかのような祝祭的空間が構成される。
これら全て「le19M」の11のアトリエから集めたもの。アンティークやビザンチン文化にインスパイアされたジュエリーを手がける「Goossens」(ゴッサンス)、羽根細工を伝承・進化させてきた「Lemarié」(ルマリエ)、婦人専門ビスポークシューズのメゾンダール「Massaro」(マサロ)などなど、〈シャネル〉を支えるクリエイションの裏側、制作過程を覗き見るかのよう。会場を感覚的に彷徨っているだけで、モノそのものが持つ輝きを発見できる、そんな刺激的な展示だ。
第2章となる展示『Beyond Our Horizons 未知なるクリエイション、その先へ』は「le19M」に集う11のメゾンダールと日本各地の職人やアトリエによるプロジェクト。会場の構成は建築家の橋詰隼弥氏だ。「le19M」の11のメゾンダールと日本各地のアーティスト、職人、アトリエなど約30組がコラボレーションした“クリエイティブヴィレッジ”をテーマにした舞台を用意した。参加クリエイターや工房の名が記された京提灯が並ぶ「le Passage(パサージュ)」に始まり、「les Ateliers(アトリエ)」「le Rendez-vous(ランデブー)」「la Forêt(フォレスト)」「le Théâtre(シアター)」「la Magie(マジック)」の6つの展示空間が構成される。街や森を抜け、異世界へと続く物語のなかの道を歩くような設計だ。京都の表具屋「藤田雅装堂」と「Atelier Montex」(アトリエ モンテックス)、「Lesage Intérieurs」(ルサージュ アンテリユール)の異なる個性を持つ刺繍のメゾンダールとのコラボレーションや茶碗や鉢を手がける永樂家18代の永樂善五郎氏と「Atelier Montex」(アトリエ モンテックス)の協業など、意表をつく組み合わせとシンクロの妙を堪能できる。
©CHANEL
「日本は〈シャネル〉と 『le19M』の歴史において唯一無二でかけがえのない存在」と語ったのはシャネルSAS兼「le19M」のプレジデントであるブルーノ パブロフスキー氏。「所作やクラフツマンシップへの深い敬意、精緻さと忍耐を追求する精神、素材と時間へのこだわり、そして生きた遺産を次世代へと受け継いでいくという使命感」が異国の価値観を一つに結びつけるという。この『Beyond Our Horizons 未知なるクリエイション、その先へ』では、日仏の職人の手仕事を通した対話と発展が視覚的に現れ、まだ見ぬ素材の可能性の匂い、試行錯誤の痕跡の音が聞こえ、まさにブルーノ氏の意図するところを五感全てで触れられる、創造的な空間となっている。
最後は世界的にも有名な刺繍とツイードを専門とするアトリエ「Lesage」(ルサージュ)創業100年を記念した『Lesage 刺繍とテキスタイル、100年の物語』で締めくくる。織物職人や刺繍職人たちが実際に使用する道具が並ぶなか、1924年設立の刺繍の名門「Lesage」(ルサージュ)の歴史を総覧できる。カール ラガーフェルドとの協働など〈シャネル〉との関わりも、ドレスから制作スケッチなど細部に至るまで順を追って紹介。展示全体を通してブランドへの理解が深まるとともに、その技巧、気概、誇りを感じ取ることができる。
「職人技」は日常会話でも比喩的に用いることもあるが、こうした本物の手仕事を目の当たりにすると、言葉では言い尽くせないほどの感動と驚き、発見がある。1910年のブランド誕生以来、職人たちの唯一無二の技術や伝統を伝承し、時代の先端を歩んできた〈シャネル〉が大切にしてきた「メティエダール」の美学。会場全体を包むその精神性が体現した「未知なるクリエイション」と「その先」にある表現をぜひとも目にしてほしい。
インフォメーション
la Galerie du 19M Tokyo
会場:東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
会期:2025年9月30日(火)〜10月20日(月)
時間:10:00〜18:30(金土祝前日〜19:30) ※入館はそれぞれ閉館の1時間前まで
休館日:無休
料金:無料
Official Website
https://www.chanel.com/jp/fashion/event/opening-gallery-19m-tokyo-2025/
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