TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#2】靴下

執筆:Hitomi Coco Konno

2025年9月16日

自分で、自分について気づかないことってよくある。
例えば去年、友人と韓国に行ったとき。
私は「結構寝つきが悪くて…」なんて話していた3秒後に熟睡していたらしい。
翌日、友人に「光の速さで寝てたよ」と言ってもらって驚いた。

人に教えてもらうまで、自分が案外とサブカル好きだったり、思わぬところでこだわりが強かったりすることを20代半ばでようやく気がついた。

そこから、自分にとって何が大切で、逆に何がどうでもいいことなのかをよく考えるようになったのかもしれない。

地味にこだわっていることはたくさんあるけど、今日はその中から靴下についてお話しさせてください。

出先で間に合わせに購入した靴下は、一度履けば正体を現して
もう何十回も履いたように毛玉がつき、ゴムの繊維がキラッと嫌味に光る。

駅まで行ったのに、デニムの裾から見えるたびに落ち込み、思わず家に戻って靴下を替えたこともある。

こういうことを避けるには、
好きな靴下を徹底的に見つけるしかない。

私が行き着いた「自分好みの靴下の条件」はとてもシンプル。

1. 化学繊維ができるだけ少ないものを選ぶ
2. 色がいいのを選ぶ(黒なら、とても濃い黒)
3. ボロボロになっても、買い替えが可能な価格

足のサイズがメンズ寄りの私は選択肢が多く、
出張のたびにメンズブランドや紳士服のお店でよく購入することもある。

夏用のコットンソックスはブランドを決めずに選んでいるけれど、イタリアに行けば必ずローマの老舗肌着屋Schostalに立ち寄る。

ロゴが新旧どちらも愛くるしい

去年伺った際はボクサーからインナー、靴下までたくさん手に入れた。

今年の夏はロンドンで少し奮発。Budd Londonで1組(もちろんボクサーショーツも購入)、Specialeで2組購入した。

HAZEのルックに使用

冬は必ず、1893年創業の英国ブランドCorgiのウールコットンソックスを5足ほど買い足す。(たまたまですが、Popeyeさんでご紹介していたSpecialeもCorgiの工場みたい)

他にはない素敵な色が多く、アルパカ混のふわっとした靴下をバレーシューズやローファーに合わせるのが好き。

すでに今年はarts & scienceでもウール混ソックス、Wolfordでカシミア・シルクソックスを調達。

真冬用には、寒い国に行った際に必ずオーガニック生活用品店で混アルパカのソックスを購入する(二足で¥3500ほど)。地元の人に愛されている理由がわかる。

指の先まで温めてくれるから、大好きです。

そしてなんだかんだ言っても、デイリーユースの味方はユニクロ。

メンズコーナーでよく見かける4組で990円50色展開のソックスのうち、赤とピンクだけはリピートしています。(この二色は約60%コットン。カラーによって素材の組成が違うとのこと)明るい色だと、あのキラッが目立ちにくいのが嬉しい。少し大きめを買って、家用に履くのにもちょうどいいのです。

私にとって靴下はランジェリーと同じくらい重要。
いい靴下を履くとその日がいい一日になれるような気がする。

いつかHAZEオリジナルの靴下も作りたいな…。

プロフィール

Hitomi Coco Konno

ひとみ・ここ・こんの|タイムレスなカシミヤとシルクのアンダーウェアブランド〈HAZE UNDERWEAR〉を2023年にスタート。老舗ランジェリーショップ〈Gabrielle Peco〉のバイヤーとしても活躍し、世界中のランジェリー文化に触れる。20代をニューヨークやパリで過ごし、そこで培った感覚や経験をもとに、100年後も着られるタイムレスなアンダーウェアを作る。

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