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『la Galerie du 19M Tokyo』で体感する、メティエダールの神髄と未来。
CHANEL
2025年9月17日
text: POPEYE
2025年10月 942号初出
息をのみ、見入る。優美で繊細な意匠がちりばめられた〈シャネル〉のドレスは、全体から細部へ、また全体へと目を凝らし、心を開いて向き合わざるを得ない引力に満ちていた。「感性や感情を揺さぶるもの」という意味では多分にアート的。それ以上に熟練の職人が思いを込め、高度な技術を駆使し、膨大な時間をかけて作り上げたことが瞬時に伝わってくる一着は、気高い工芸品のように感じられた。数年前、ガブリエル シャネルにまつわる展覧会で服やバッグ、そしてアクセサリーを数多く目にして、〈シャネル〉の根幹にある「メティエダール」(フランス語で芸術的な手仕事の意味)に思いを巡らせたのを鮮明に記憶している。その後、〈シャネル〉が毎年発表する「メティエダール コレクション」が俄然気になり出して、オンラインなどでチェックするように。同コレクションは、〈シャネル〉を支える職人たちの卓越した技や芸術性を称えると同時に、ファッションやクラフツマンシップを愛する人がメティエダールを知る貴重な場にもなっている。
〈シャネル〉による手仕事への深い敬意を象徴するのが、パリ北部の街・オーベルヴィリエにある「le19M」(ル ディズヌフエム)。2021年に〈シャネル〉が設立した施設で、刺繍、羽根細工、プリーツ、金細工など11のメゾンダールがあり、比類ない「サヴォアフェール」(伝統的な匠の技)を誇る約700人の職人と専門家(職種は30を超え、実にさまざま)が日々、熱心に作業をしている。「le19M」はオープンスペース「la Galerie du 19M」を併設。アートと手仕事の価値を広めることに力を注ぎ、新たに生まれる次世代の才能を周知する役割を担う。ユニークなワークショップを通じて唯一無二のサヴォアフェールに触れる貴重な場所になっていると聞く。

刺繍、羽根細工、プリーツ、金細工など、熟練の職人たちがそれぞれのアトリエで日々、作業に没頭する。パリ北部の街・オーベルヴィリエにある「le19M」は、「メティエダール」(芸術的な手仕事)の過去と現在と未来を繋ぐ、唯一無二の施設といえる。そして、伝統の技を受け継ぐ匠たちの矜持に満ち、何よりも〈シャネル〉の手仕事への深い敬愛を象徴する場所でもあるのだ。
この施設の存在を知ってすぐに「訪れたい場所リスト」には入れていたが、そう易々と叶わないのも事実。「いつかきっと」なんて思っていたら、この秋、憧憬のメティエダールに触れる絶好の機会が訪れることに! 9月30日〜10月20日、六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーと東京シティビューにて『la Galerie du 19M Tokyo』が開催されるのだ。
森アーツセンターギャラリーでの展示テーマは『Lesage, 100 Years of Fashion and Decoration 刺繡とテキスタイル、100年の物語』。「le19M」のメゾンダールの一つである「Lesage」(ルサージュ)は、1924年から続く刺繍のアトリエ。細やかな手仕事を施した作品は〈シャネル〉のオートクチュールやプレタポルテを筆頭に、名だたるクチュールメゾンのランウェイを華やかに、美しく飾り続けている。創設100周年記念となる今回の回顧展では、伝統への矜持とともに、常に磨き続けた進取の精神の賜物といえる貴重な作品が数多く展示される。そして、1989年に東京を訪れ、ルサージュ家の豊かな歴史と展望を伝えるエキシビションを開催した、3代目にして刺繍職人のジャン=フランソワ ルサージュの足跡を辿る企画も。
東京シティビューで開催されるのは『Beyond Our Horizons 未知なるクリエイション、その先へ』。「le19M」のメゾンダールと日本各地のアーティストや職人、アトリエや工房を結ぶプロジェクトであり、両者のクリエイティブな対話の場だ。共通するのは、長年にわたり手仕事へ深く献身し、伝統を遵守しながら、新しい創造へと踏み出している点。そして、ものづくりへの情熱や探究心を宿していることだ。「le19M」と日本の職人技が邂逅したら、どれほど心ふるわせるクリエイションが現出するか。その答えとして、いくつかのコラボレーション作品が制作される。その一例が、羽根細工や〈シャネル〉を象徴するカメリアも担当する「Lemarié」(ルマリエ)と唐紙師の嘉戸浩さんによる衝立。そして、金細工のアトリエ「Goossens」(ゴッサンス)とテキスタイルアーティストのシモーヌ フェルパンさんの協業による装飾などを展示予定とのこと。垣根を越えた美しき工芸品は、森タワーから見渡す東京の眺望とシンクロして、訪れた人の内面にきっと新しい地平を切り拓くだろう。
9月30日に開幕する『la Galerie du 19M Tokyo』では、フランスと日本の職人がコラボレーションした作品が展示される。1枚目と2枚目の写真は、唐紙職人の嘉戸浩さんと協業する、羽根細工のアトリエ「Lemarié」(ルマリエ)での作品の制作風景。3枚目の写真はテキスタイルアーティストであるシモーヌ フェルパンさんと金細工のアトリエ「Goossens」(ゴッサンス)との協業による装飾。展示会場で全貌と対峙したとき、「時間をかけて思いを紡ぐ」の本義を、心身の底から知るに違いない。
また、会場では『le Festival』(フェスティバル)と題されたインスタレーションも開催。手掛けるのは国際的な建築家・田根剛さんのパリのアトリエ「ATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architect」。メティエダールの豊かさと多様性、そしてクリエイションの歓びに満ちたインスタレーションになっているという。加えて、会期中にはインタラクティブなプログラムも。「ルサージュ」の刺繍職人によるワークショップや日本とフランスのクラフツマンシップについてのトークイベントなどが用意されている。
『la Galerie du 19M Tokyo』での体感を通して、いかなる衝動が湧き立ち、内なる「ホライズン」の先にどんな景色が見えるのか。いつか振り返ったら、示唆に富んだエポックメイキングな展示になっていた。今、自分の中でそんな予感が渦巻いている。
『la Galerie du 19M Tokyo』をチェック!
本展示を象徴するビジュアルをデザインしたのはエリック ピヨー。フランスと日本を拠点にフォトグラファー、グラフィックデザイナー、アートディレクターとして活動。「地、水、火、風、空」という自然界の五大元素をモチーフに、日本の美学とフランスのエスプリが出合い、そこから紡ぎ出される静謐で普遍的な「対話」を象徴的に描いている。
今回のエキシビションをより深く知ることができる、特別なオーディオガイド(無料)も提供される予定。『Beyond Our Horizons 未知なるクリエイション、その先へ』は、映画監督の安藤桃子さん監修のもと、俳優の安藤サクラさんが日本語を担当。『Lesage, 100 Years of Fashion and Decoration 刺繍とテキスタイル、100年の物語』は俳優でアンバサダーの小松菜奈さんが日本語を担当。ともに、英語ナレーションは俳優でアンバサダーの宮沢氷魚さんが担当する。まさに、会場でしか聞くことができないスペシャルなコンテンツだ。
また、POPEYE WEBでは宮沢氷魚さんが「le19M」を訪れ、職人やアーティスティック ディレクターにインタビューした動画を制作。日本の職人とのコラボレーションにまつわる話やファッションやアート、クラフツマンシップを愛する人々へのメッセージとともに、宮沢さんがメティエダールに触れて高まる『la Galerie du 19M Tokyo』への期待を語る。9月24日公開予定。
インフォメーション

la Galerie du 19M Tokyo
会期:2025年9月30日(火)〜10月20日(月)
会場:東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
Official Website
https://www.chanel.com/jp/fashion/event/opening-gallery-19m-tokyo-2025/
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