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若き表現者の足元には〈On〉の「Cloud 6」がある。
On
2025年4月11日
photo: Ryusei Sabi(1%+)
text: Sana Tajika
Painter_Taichi Watanabe (28)
都心から外れたとある町の一軒家。導かれるまま土足で玄関を上がり、強い西日が差し込む2階の和室へと足を進める。何色もの絵の具の痕跡が残る畳の香りと、無造作に置かれた画材の香りが入り交じる10畳間。ここがペインターの渡邉太地さんのアトリエだ。
東京藝術大学大学院の美術研究科修士課程を昨年卒業したばかりの渡邉さんは、アーティストとしては異色の経歴を持っている。
「東京の四年制大学で国際経営学を学んだのち、大学の同級生たちとシルクスクリーンスタジオ『PAJA STUDIO』を立ち上げました。スタジオの活動域を広げつつ、留学かグラフィックアーティストとして個人活動する道を考えていました。だけど、シルクスクリーンで抽象的な作品を作ったことをきっかけに別の表現方法を模索し始めて、結果たどり着いたのが油彩画だったんです。相談を持ちかけた東京藝大に進学していた先輩を介して教授と知り合い、東京藝術大学の大学院受験を決めました」
アーティスト人生を歩み始めるときのファーストステップは、作品の題材選びになるだろうか。渡邉さんが選んだのは「窓」だった。自由に持ち運べる、“どこでもドア”ならぬ“どこでもマド”を描き始めた。
「シルクスクリーンに作品としての強度を持たせるヒントを探していたとき、街で見た窓にびびっときたんです。死ぬまで追求できるモチーフだと思いました。本来の窓からはひとつの風景しか見えないけど、絵画だといろんな風景を自由に映し出せと考えました。しかも取り外せるから好きなところに窓を設置できる。100年後、200年後、地上に住めなくなったとき、自分の絵が宇宙や地下で窓になってたとしたら、それってめっちゃロマンチックじゃないですか?」
アトリエの壁には絵画作品と同様、ペイントが施されたTシャツやジップフーディーも掛けられていた。渡邉さんは服作りを、キャンバスに施すペインティングと同様に捉えている。木枠とキャンバス、骨と布。絵画と服をまとう人体の構図は確かに似ている。
「バンダナ、Tシャツときて、最新作はジップフーディー。デジタルっぽいカモ柄を手描きしてからシルクスクリーンで刷っています。ファッションに関しては、ブランドやジャンルを問わずいいものだと思ったら取り入れるようにしているので、自分が作る服においてはペインターとして自分にしか作れないものがあると信じて作っています」
ファッションへの熱量も高まる渡邉さんは、制作中の足もとにもこだわっている。
「以前から、テンションの上がるいい靴で制作に取り組めたらと思ってたんです。それで、革靴が好きだから履いてみたりしたけど、足が痛くなってくるし、脱ぎ履きもしにくいし、床も傷むしで、作業する靴には全然向いてなくて。この「Cloud 6」は疲れにくくて脱ぐ履きもしやすいから、長時間にわたる制作の相棒にやっと出合えたなと。内履きで使おうと思ってましたが、テックなデザインが自分には新鮮だし、ファッションの一部として普通に外履きで使いたくなってきています」
現在は5月23日から大阪の「I GALLERY OSAKA」で開かれる個展のための準備中だ。家からアトリエまで車で1時間足らず。移動時間はオンオフを切り替えるスイッチャーでもあり、作品のインスピレーションを得る時間にもなっている。
「キャンバスに描いているのは、僕の頭の中にある宇宙(=スペース)なんです。それぞれの絵の完成イメージは漠然と頭に浮かんでいるんですが、描いているうちに段々だんだんと頭のイメージと実際に描いてるものがズレていってしまうので、例えば帰り道に車から見えた桜とか、今まで見た風景、聴いた音楽、感情、さまざまな要素が混ざり合わさっていくことで完成に近づけています。いつもは展示空間ありきで作品サイズを調整していくところを、次の展示では銭湯の均一に並んだ鏡にインスパイアされて、同じ大きさのキャンバスを選んでみました」
突拍子もないことが受け入れられづらいこの国だからこそ、アーティストとして成熟期を迎えたキャリアの後半に目論むこともたくさんある。
「田中啓一さんやヴァージル・アブローみたいに、違う畑から来た人が作り出すファッションっておもしろいんですよ。僕も大きいブランドのクリエイティブディレクターとかもやってみたいし、もちろん画家として歴史に残る大きなことをやってみたい。純粋なアート畑出身者ではない身としてアート業界に一石を投じたいです」
Film Director_Nina Florence (26)
春をスキップして夏がやってきたような、よく晴れた昼時。ハンディカムを片手に公園にやってきたのは、MVやブランドのイメージフィルムなどを手掛ける映像ディレクターのニナさんだ。母親が染めたという大判のスカーフを芝生に広げ、休日の束の間を過ごしにやってきた。
ニナさんが福岡から上京してきたのは約3年前。それまでは映像ディレクターのイメージからは思いも寄らない、あることに没頭してきた人生だった。
「3歳から18年間、ひたすらフィギュアスケートに打ち込む日々を送っていました。コーチとしてフランスへの渡航が決まっていたくらい本気で取り組んでいたのですが、コロナウイルス感染症の流行で渡航を断念せざるを得ない状況になって。その時期は心身ともにぼろぼろの状態で、それを機にアスリート人生を止めて別のことを始めようと決心したんです。映像業界を志すきっかけになったのは、映画と音楽が好きな私を見た父の勧めです。上京してから半年ほど映像ディレクターにアシスタントとしてついていましたが、自分には自分の色があると思いひとりでやっていくことにしました。そこからは必死になって頑張りましたね」
全くの映像初心者から一変。3年目にしてすでに多くの作品の監督から編集までをこなしているニナさんだが、早くも映像ディレクターとしての将来的なビジョンも定めていた。
「母が環境問題に関心が高かったこともあり、幼少期からサステナブルな考え方は当たり前のものでした。ですが、最近ステラ・マッカートニーの講演を聴く機会があり、彼女のブランドの取り組みを知ってかなり大きな衝撃を受けたんです。地球環境改善のために自分にやれることはまだまだたくさんあるのだと思い知りました。世界的なポップスターの娘として生まれながら、サステナブルな取り組みをリードするブランドのデザイナーとしてもしっかりファンの心を掴んでいる。そんな彼女の姿はこれからの活動の指標となりそうです。私も今後、多面的にサステナブルを意識した映像と現場に携わりつつ、自分でもそういった情報を発信していけたら幸せな人生だなと思いますね」
最近まで〈On〉の「Cloud 5」をほぼ毎日愛用していたというニナさん。ディテールまでブラックで統一された「Cloud 6」は、どんなワードローブともマッチする。カフェで作業する日も遊びに出かける日も、「Cloud 6」をさっと履いて出かければ足元は心配いらず。
日々の心の拠り所となっているのは、音楽と映画にくわえて読書、自然、運動だ。それぞれがどんなふうに効果的なのか、自分に何を与えてくれるのかを、彼女自身の原体験からよくわかって親しんでいる。ちなみに今読んでるのは能の本。……能!?
「映像表現で行き詰まったときに母が、『歌舞伎を観てみたら? すべての表現に通じてるから』ってアドバイスしてくれたんです。その後たまたま美術館で目に入ったのが能の本だったので、同じ日本の伝統芸能として読書にトライしてみています。手に取る本のジャンルはかなり雑食。あらゆるジャンルをランダムに見ていくほうが柔軟なアイデアが生まれやすくて。スマホからの逃避になる読書は癒やしの時間でもあります。あとは自然に浸る時間も大切にしていて、私が見た自然の風景と映像でいいコンビネーションを生めるよう、見たものや感じたことをメモにストックしています」
朝の日課はストレッチとランニング。フィギュアスケートから離れ、運動と無縁の日々を過ごすうちに体を動かすことがいかに重要だったかを実感したみたい。
「東京に出てきたばかりのとき、仕事と遊びに必死でそれ以外は何もできていなかった時期は、楽しさもある半面、心がとても不安定でした。ランニングを再開するとその不安定さから解放され、運動がマインドコントロールの一助になること、息抜きとなることに気付き、今では毎日の欠かせないルーティンになっています。ランニング、仕事、遊びでいろんな東京を知って、最近やっと自分がこの都市に馴染んできた気がしています。都市と自然と良いバランス感で付き合いながら、その中で自分らしいクリエーションを育んでいけたらいいなと思っています。」
健やかな未来を見つめるまっすぐな目と、周囲をすぐに惹き込んでしまうだろうチャーミングな笑顔。まだまだ走り始めたばかりのホープに、映像業界の未来を託したい!
インフォメーション
On Cloud 6
Onの定番モデル「Cloud 5」がより快適な履き心地にアップデートした「Cloud 6」。クッション性と安定感が向上し、よりスムーズに脱ぎ履きしやすいよう履き口の設計も改良された。また、スピードシューレースのおかげで靴紐を結ぶ手間要らず。スリッポン感覚で履くことができる。幅広いシーンで活躍してくれる一足だ。
¥18,700(オン/オン・ジャパン☎︎050・3196・4189)
Official Website
on.com
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