カルチャー
【#3】スポーツ写真家脳内日誌
2021年5月24日
photo & text : Kenjiro Matsuo
スポーツ写真って同じ場所から撮っても、撮る人それぞれで違う絵が残る。
スポーツ報道の現場は撮影ポジションが決められてて、大勢が密状態で撮影をしている。
ほんのちょっとした構図の違い。厳密に言えばアングルが完全一致することはないわけで、体ひとつ分、カメラひとつ分、この違いが絵の違いを生み出す理由のひとつだと考えている。
もうひとつはシャッターのタイミング。これが大きな違いを生み出す要因かもしれない。
1秒間に10枚だろうが20枚だろうが、流れる時を思えば微々たる瞬間しか撮れていない。シャッターボタンを押す、ほんのわずかな時の違いが絵を変える。スポーツという高速の世界では大きな違いを生み出す。
では、その違いはどれほどか。

データとして残った絵がわずかに違っても、見る人はどんな印象を受けるのだろうか。写真を見た人それぞれの感じ方になるが、ほぼ同じと受け止められる気もする。いや、言葉では表現できない違いを感じてくれるかもしれない。
仮に同じ瞬間を撮ったとしてもセレクトされなければ世には出ない。
毎日、2000枚から1万枚の写真を撮っている。
基本的に撮影の時点で絵が違い、その後のセレクトでさらに違いが生まれる。
仮に2人が同じ場所、同じタイミングで撮影しても、同じコマをセレクトする確率は100ではない。それぞれの人間の脳ミソを通ることになる。
第一話のようなリモートカメラで撮ったとしても、セレクトという作業は個性ある人間が行なっている。近い将来、撮影もセレクトもAIに仕事を奪われるかもしれない。ただ、どちらかというとセレクトの方が奪われるまで時間がかかるだろう。
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松尾憲二郎
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