ライフスタイル
優雅に駆ける国産スポーツカー。
2024年5月18日
ひとたびハンドルを握れば、ヴォン! とエンジンを唸らせ、瞬く間に全力疾走。これこそがスポーツの名を冠する所以。速さを追求したデザインと機能を兼ね備えた車は、やはり別格だ。ポルシェやフェラーリは高嶺の花かもしれないが、僕らには’70年代後半〜’90年代の国産スポーツカーがあるじゃないか。ビュンと突っ切るように走るスカイラインや、爽やかに風を切るロードスターにはどこか気品が漂う。『頭文字D』の主人公が乗るトレノや、松任谷由実の楽曲「よそゆき顔で」にも登場するセリカは、まさに当時のシティボーイたちが焦がれた名車。日本が誇るスポーツカーを愛車候補に。そんな気持ちがグングン加速してきた!
NISSAN SKYLINE – 1992
Engine: 2,500cc
Price: secret
Mileage: 46,000km
Fuel-Efficiency: 8km/L
完全無欠のスポーツカー、スカイライン。アメリカの「25年ルール」(製造から25年以上経過したら輸入OK)も相まって、海外人気も上昇し続けるこの車を“走ってナンボ”精神で乗りこなす髙橋さん。もちろん、見た目にもこだわりアリ。リアのさりげないスポイラー(通称:チビスポ)や平行四辺形のヘッドライト、雄々しい音を轟かす砲弾マフラーなど、カスタマイズがとにかくシブい! 「実物を見た瞬間にビビッときて、すぐ購入を決めました。ヤングタイマーとして挙げられるようなおしゃれさはないけれど、年齢を重ねてもずっと乗り続けられると思うんです。ガンメタリックなボディと、昔のヤンキー鞄のような薄いシルエットもたまらないですね」
オーナー
髙橋 慶(30) 会社員、「Street Motion Tokyo」代表
「走り屋が好きな車はエンジンがやれてることも多いですが、これはきれいな状態で見つかりました」。そのコツは、オートマ車を狙うこと。実は、髙橋さんはレスポンスがいい5速マニュアルに換装済み。
MAZDA ROADSSTER – 1999
深緑のボディとベージュで統一された内装がシック。2世代目のNB系ロードスターに乗る有馬さん。幼少期には母親の真っ赤な初代で幼稚園まで通っていたという。その影響もあってか、利便性より胸の高鳴りを重視して選んだこの一台は「カー・シティ・ガイド」を介して譲り受けたもの。「休日になると栃木県や山梨県までキャンプに行きます。収納スペースが少ないので、荷物をいかに少なくするかが重要になってくるんですけど(笑)、それも醍醐味。暖かくなってきたら、幌を開けて友人と夜のドライブもしますね。ピザをテイクアウトして海辺の駐車場で頬張ったり、東京タワーの下でお寿司を食べたり。車の“中”とはいえ、ピクニック気分を味わえるんです」
オーナー
有馬明日香(30) 会社員
シート裏、唯一のポケットにはビートルズのCDをイン。「内装に機械感がなくて、部屋のような居心地のよさを感じます」
TOYOTA AE86 SPRINTER TRUENO – 1985
高層ビルを背に軽快な走りを見せるのは、“ハチロク”の愛称で親しまれるスプリンタートレノ。「仕事道具をバイクで運ぶことに限界を感じたんです。人生で一度は車を買うだろうから、少しでも早いほうがいいと思って」と、清家さんは昨年末に埼玉のAE86専門店『エルリッチジャパン』で購入。走行距離33万㎞にして不調はなく、アフターケアもバッチリ。「黒いボディは後期型のみ。そもそも個体数が少ないのできれいな状態のものを見つけるのは大変でした」。ホイールは真っ黒にカスタム、少し下げられた車高は、前オーナーの趣味をそのまま引き継いでいる。「おじいちゃんになっても修理して乗り続けようと思っています。僕にとっては、最初で最後のマイカーです」
オーナー
清家翔世(29) 写真家
ヘッドライトは格納式。「トレノとすれ違ったとき、パカパカ動かして挨拶したら返してもらえました!」
TOYOTA CELICA – 1979
「2年前に横浜のカーイベントで偶然見つけたとき、このビジュアルに一目惚れしてしまって。それまではカーシェアで十分、と思っていたけれど、即決で購入しました(笑)」と小野さん。セリカは走行性だけでなく、居住性も重視した“スペシャルティカー”として登場。スポーツカーらしからぬ愛らしい見た目や、シートにハンドル、ダッシュボードまでオールブルーの内装はたしかに魅力的だ。「取扱説明書にあった初代オーナーの名刺を頼りに、これに乗って山梨県まで会いに行きました」と、驚きのエピソードも。なんでも、40年間一度も雨ざらしになることなく、車庫で大切に保管されていたという。丸目4灯が印象的なその顔も、心なしか誇らしげ!
オーナー
小野健太郎(30) 『ONO WHEEL』店主
サンルーフ付きで空も見える。’70〜’80年代の国産車あるある、時速100㎞を超えると「キンコン、キンコン」と鳴り出す速度警告装置も未だ健在。「スポーツカーなのに高速道路でも超安全運転です」
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