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名作たちの面影はいかに宿るのか。〈DAMD〉の車を詳しく解析。
Analyze DAMD CARS
2023年5月9日
illustration: Telly Sahara (HOMMAGE), moi. (4 STEPS)
text: Shintaro Kawabe
「デザインは憧れの旧車の雰囲気なんだけど、実は新車」っていう夢みたいな車が、
カスタムメーカー〈DAMD〉のコンプリートカー。
細部に込めた思いや技、創作の背景を掘り下げ、その魅力に迫ろう。
〈DAMD〉は車体のカスタムパーツをオリジナルで作る国内屈指のメーカー。ここ数年は、ダイハツやスズキなどの軽自動車を自社でフルカスタムする「コンプリートカー」が話題だ。他の人とかぶらない、難しくない、しかも過去の名車のデザインをオマージュしているという具合に、おいしいポイントが詰まっているのだけど、ただの「モノマネ」なら僕らの心は動かない。旧車へのリスペクトを出発点に、「クラシック」に対する解釈をベースに独自のデザインを生み出し、オリジナルのパーツを盛り込んで「懐かしいんだけど今だからこそある車だよね」と腑に落ちるのがいいところ。今回は代表的な3台について解像度を上げて、ディテールや製作背景を詳細に見てみよう。
JIMNY the ROOTS
初代ジムニーそのままの顔を、丸くて小さなライトが彩る。
![JIMNY the ROOTS](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/DMA-R-standard-1600x1067.jpg)
-
FRONT -
BACK
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/4a7c0ad7eebec6c744d61164c613d9ad-1600x1127.jpg)
ジムニーの原型は、’50年代に軽四輪・三輪トラックなどを開発していたホープ自動車が、1968年に販売した史上初の“4WDの軽”「ホープスターON360」。前スズキ会長の鈴木修が製造権を買い取り、1970年に誕生したのが初代「LJ10」だった。平面を組み合わせたカクッとしたボディは、豪壮な佇まいだけど、実はコスト削減のためのシルエットだった。
現行のJB64が、まるで初代LJ10のように。ジムニーの原点を見つめ、ジムニーの最新型をアップデートさせた「the ROOTS」はジムニー専門店『APIO』との共同開発。一番のトレードマークはフロントグリルで、左右から中央へ向かう直線的な造形をブレずに再現しつつ、純正の規格からあえてほのかに出っ張るオーバーラップ形状に。横一文字のバンパー、スチールのような質感の黒いアルミホイールといった往年のデザインを取り入れながらも、注目は〈DAMD〉オリジナルのごく小さな丸型のライト。こんなにチョコンとしたウィンカー&テールライトは斬新で、かつこの丸みがレトロさも加速。この半世紀の意匠が融合したような一台だ。
EVERY little D.
レトロで武骨なフィールド向けのフォルム。こんな軽、あったかな?
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/DMA-HEZEL_1.jpg)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/c4a46c21572fe4c957337eeb4fdee29c-1600x1127.jpg)
イギリスの王室御用達・ランドローバー社が製造するクロスカントリー車、ディフェンダー。この1983年に生産した110モデルの名称は、前輪と後輪との距離を冠している。頑丈なボディであることから、英国軍の軍用車や公共の消防車両などにも供給されている。
〈ランドローバー〉のディフェンダーが軽自動車になったら!? というアイデアから、スズキのエブリイをフルカスタム。クラシックなディフェンダーの象徴だったルーバーのデザインをフロントグリルに採用しつつ、見た目のボリュームを出すためにボンネットフードをかぶせた。ヘッドライトは丸型にしてガラリと変更。これで古き良き面持ちにグッと近づき、さらに「JIMNY the ROOTS」と同様に極小の半球状ライトを搭載。ミリタリーらしい武骨な見た目もさることながら、車内のシートを倒せばフルフラットになるし、キャンピングカーとしても使えるぞ。
N-VAN MALIBU
パオに乗っている感覚で、海へ、山へ、アクティブに。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/DMA-MALIBU_FR73.jpg)
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FRONT -
BACK
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/da91b254d48a20a8b5b4a04531c4e1dd-1600x1127.jpg)
1989年にコンパクトカーであるマーチをベースに開発された日産のパオ。三角窓や丸い3つのテールレンズ、パイプ状のバンパーなどの古めかしいデザインが隅々まで落とし込まれている。象牙をモチーフにしたハンドル周りなど車内のデザインにも個性が溢れていた。
そのレトロなデザインで、’80年代に社会現象とまでいわれた日産のパイクカーの一台、「旅行やサファリの冒険気分を味わえる服」をテーマに誕生したパオに、もしバンがあったら? と思いを巡らせて造られたのがこちら。丸いヘッドライトや、フロントグリルを横切るパイプ状の装飾はヴィンテージへのリスペクトを込めたオマージュで、さらに耐候性を備えるウッド調のサイドステッカー、ボリュームのあるバンパーをカスタムすることで、よりクラシックカーのような佇まいに。縦3連になった、小さくて丸いライトで後ろ姿にも心躍るし、外へ出かけたくなるね。
〈DAMD〉のコンプリートカーを手に入れるための4STEPS
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/e26c619865ca8cb6417427a2f7b3490a-1.jpg)
まずは〈DAMD〉のホームページ内にあるヘッダー「PRODUCT」から「BODY KIT & INTERIOR」にアクセスし、好きなコンプリートカーを探してみよう。今回紹介した車種以外にもダイハツのタフトなど、10種類以上の車種を見ることができるよ。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/1a2a4487cbacd673895b2b715d4577c6.jpg)
これがイイ! という車種が見つかったらトップページにある「DAMD COMPLETE CAR」のバナーに入ろう。約300店舗の特約店がずらりと並んでいるが、まずは一番下の問い合わせフォームでDAMDに連絡を。実物や、それに近い展示車がある最寄りのディーラーを案内してもらい、いざ実車とご対面へ。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/6eaa3340b7ab5c4181cf77081486777a.jpg)
お店に足を運んで、金額の見積もりを出してもらおう。お値段は車種やオーダーによってバラバラだけど、軽自動車は180万~290万円ほど。基本的にはお店ごとにカスタムの内容は決まっているけれど、予算を伝えて、パーツを変更したり、塗装を変えたり、という相談をさらにしていくことも可能だ。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/e1c00dc47e64ab0d66156f3ea12cdc72.jpg)
乗り出したい相棒が決まったらいざオーダー。納期はお店によってさまざまだけど、目安は約1~3か月。新車だからメンテナンスや燃費も安心だし、納車後も何かあったら〈DAMD〉やディーラーが親切に面倒を見てくれるよ。オマージュした車に乗るような気分で、カスタムカーのアクセルを踏んでみよう!
インフォメーション
DAMD
◯神奈川県大和市下鶴間45-1 ☎0120・53・9991 9:00〜18:30 土・日休 ※予約制
Official Website
https://www.damd.co.jp/
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