ライフスタイル
【#4】せっかくだから
執筆: 髙城晶平(cero)
2023年4月29日
photo & text: Shohei Takagi(cero)
edit: Yukako Kazuno
人間は活動していれば必ずコンディションに乱れが生じてくる。覚醒時間が長引けば睡眠が必要になるし、空腹ならば食事が必要だ。そういった諸々のケースに対応する解決策を講じることによって、人は自身の状態をニュートラルポジションに戻すことができる。
逆にそれができなければ、コンディションの乱れは手のつけようがないほどに増幅して、元に戻すことが不可能になっていく。最悪の場合、死んでしまうことになる。
そんなわけで、例えばあなたが空腹を感じているならば、あなたは身体の要求に応えるべく、食事をしなければならない。腹が膨れればなんでもいいのだから、目の前にある牛丼屋にでも直行すればいい。あるいはコンビニのおにぎりでも買ってその場で貪ってもいいだろう。でも、そんな行き当たりばったりの短絡的な行動だけでは、あなたは世界によって受動的に行為させられているにすぎない。
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それよりも、同じ空腹を満たす行為ならば、より有意義な方法を選択したい。折しも筍が旬の季節なので、家で筍ご飯を炊いて、せっかくだから友人たちも呼んでご馳走を振る舞おう。こんな具合に行動しているとき、あなたは世界から受けた風を能動的なエネルギーに変換しているといえるかもしれない。
スピノザという哲学者は、こんな感じの行動原理のなかに、人間の「自由」を見出していたらしい。というか、全部私の勝手な解釈なので、あまり当てになりませんが…。コロナ禍になったあたりから哲学に興味を持ち始めて、少しづつ観たり読んだりしてるけど、スピノザがやはりなんとなく好きかな。
プロフィール
髙城晶平(cero)
ceroのボーカル・ギター・フルート担当。2019年よりソロプロジェクト “Shohei Takagi Parallela Botanica”を始動。2020年4月8日に1st Album『Triptych』をリリースする。その他ソロ活動ではDJ、文筆など多岐に渡って活動している。5月24日にceroの新作『e o』をリリース予定。
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